エビデンスという言葉って、ここ数年とくにコロナ禍になってから一般の人にも多く知られるようになってきました。

 

Evidence Based Medicine

という言葉があって、僕ら医者はエビデンスに基づいた医療を行うことが求められています。

 

でも割と勘違いされていることがあって、

エビデンスがない=間違ってる

という誤りです。

 

エビデンスが無いからといって必ずしもその事象が間違いだったり都市伝説だったりガセであるとは限らないわけです。

 

 

血液型でA型の人は几帳面である、という事象にエビデンスはありません。

 

立証されてないし、そもそも赤血球の表面についてるタンパク質の違いが人間の性格を決めるなんて、どう考えても荒唐無稽な都市伝説でしかない。

 

でも、じゃあエビデンスが無いから「A型だから几帳面」ってことが間違いなのかというと、周りを見ても分かるように(僕も含めた)A型の人ってのは几帳面であることが多かったりする。

 

A型の人が几帳面になる理由は諸説あるのですがそれはさておき、「エビデンスが無いから間違い」だとその事象を完全否定するのは早計だよってことです。

 

科学とくに僕らが関わってる医学にはエビデンスだけじゃなく、これまでの経験則に基づく真実・定説ってのは(エビデンスが無かったとしても)割と多くあって、それは決して無視したり退けたりできいものなのです。

(EBMに対してExperience Based Medicineという用語もある)

 

 

エビデンスが無い、だから間違い、ってのは余りにも単純で稚拙である。