はっきりいって医者そのものの総数は余るほどいます。

 

問題はその偏在で、例えば僕らのような小児科医はなり手が少なく不足してますし、他にも産科医や外科医なんかは壊滅的に不足して問題視されてます。

 

一方で(楽な)皮膚科医なんかは有り余ってて、せっせと美容医療に精を出して儲けてるわけです。

 

 

そんな話はさておき小児科領域の話をさせてもらうと、子供の心身の診療をする児童精神科医は圧倒的に少なく困ってます。

 

あっても診療が1年待ちだったりして、したがって事実上僕ら小児科医が子供の心身の相談事を引き受けているわけです。

 

僕なんかも特にコロナ禍になってからは急増した子供の心身の相談に積極的に取り組んできてました。

 

が、いかんせん専門じゃないので出来ることはあくまでも相談ベースであって、本格的に検査なり治療なりを必要とする患者さんとなると、やはり専門医に頼らざるを得ない。

 

 

こういった状況に反して、近年は自閉スペクトラム症などの発達障害は世界的に増えて(数が増えたのではなく認知されるようになり診断件数が増えた)専門的治療を必要とする患者さんは急増してます。

 

学校の先生もちょっと変わったことがあればすぐに指摘して診断書をもらってこいという時代。

 

専門医による適切な治療がされればきわめて通常な社会人になれる可能性が高い、逆にそれが叶わないと文字通り一生を棒に振ってしまいかねない、、、これら発達障害や心身の問題をちゃんと診れる専門医が不足していることは、日本の将来にも大いにかかわる重大な問題だと声を大にして言いたい。