公費助成されておらず自費で接種するワクチンはたくさんありますが、今日ここでお話しするのは乳児期に接種できる自費ワクチンのこと。


当院などはHPなどでも

「2か月になったらHib・肺炎球菌・B型肝炎を!」

と謳ってますから、当院で初めての予防接種に来られる方の大半はこの3つであることが多いです。


2か月になって接種できるワクチンにはもう一つ、ロタワクチンがあります。


ロタワクチンをあまり積極的に勧めていない理由は過去に何度か書きましたが、簡単にまとめると、


1.高価すぎてとても万民には積極的に勧められない

2.日本の医療水準ではまず死ぬことのない病気だから


接種してはダメ!とは一言も言ってませんよ。

必要最低限のものをちゃんと済ませたうえで、お財布に余裕があればやればいいのです。

Hibも肺炎球菌もB型肝炎も、他はみ~んな命にかかわる病気を予防するためのものですから、まずそっちを優先的に接種してほしいわけです。



なので当院では2か月でのワクチンデビューは、

1.公費であるHib・肺炎球菌は絶対

2.自費だけれど必要度の高いB型肝炎もできればやってほしい

3.お金に余裕があればロタもどうぞ

というスタンスです。


自費ですから家計的な問題もあるでしょうから、あまり強くは言えませんよね。


必然的に当院でワクチン接種される方ってのは、


・Hibと肺炎球菌だけ(1割程度)

・Hib・肺炎球菌・B型肝炎(5割程度)

・Hib・肺炎球菌・B型肝炎・ロタ(4割程度)


こんな内訳になるわけです。



ところが、他の病院で接種された方の中ではこんなパターンがあったりします。


・Hib・肺炎球菌・ロタ


これは意味が分かりません。

自費ワクチンを接種するなら、まずどう考えてもB型肝炎が優先されるべきものです。

B型肝炎の必要度に比べたら、ロタなんてどうでもよろしい。(比べたら、ですよ)


当院でこの3つの予約をされてきた方がおられたら、ちゃんと理由を聞くようにし、自費ワクチンを接種する気があるのであればB型肝炎こそ優先すべきだと説明するようにしています。


だって、お金がなくて接種できないなら仕方ないにしても、お金があって自費ワクチンを接種しようとしている方に対して、正しいチョイスを勧めるのが僕ら小児科医の役割だからです。


なので当院では「Hib・肺炎球菌・ロタ」という組み合わせってのはありえないわけです。



それなのにこの3つの組み合わせをされている方ってのは次のどちらかに当てはまるのではと思います。


1.他のどんな病気にかかってもいいけれどロタにだけはかかりたくないという確固たるお考えをお持ちの方

2.主治医がB型肝炎の必要性を説明していない、あるいは知らないという方


まあ当然ですが後者のパターンが圧倒的に多いのは言うまでもありませんがね。


小児科にしろ内科にしろ、子供への予防接種をしている以上、B型肝炎ワクチンの必要性について最低限の知識を持ってもらいたいものです。