当院では開院以来ずっと、B型肝炎ワクチンの接種を推奨してきました。


そのかいもあって、最近当院ではほぼすべてのお子さんが接種するようになりました。


このB型肝炎。

HBVというウィルス感染により引き起こされる肝炎です。

HBVに感染すると、だいたいの人は何事も起こらずに免疫を獲得しますが、1割の人がキャリアーといってウィルスに持続的に感染し続ける状態になります。こうなるともう治すことはできません。

こういった人が将来的に肝硬変や肝癌になってしまうわけです。


B型肝炎ワクチンは、日本以外のほとんどの国では生後すぐに接種するのが普通です!

(いつも話している6種混合ワクチンに入ってます)


B型肝炎は血液をメインに感染します。

日本では母子感染しかないという誤った認識が根強いようですが、残念ながら最近ニュースでも出ていましたが、性行為によって感染すことが分かっています。

性病の一つだと主張する先生もおられるくらいです。


また、注射針の使いまわしなんかで容易に感染することもあり、感染力はそうとう強いと考えます。


その証拠に、保育園で唾液から感染したという話もあります。

「バケツ1杯の唾液じゃないと感染しない」と言われているHIV(エイズウィルス)と比べても、HBVの感染力の強さを伺わせます。

エイズより恐いという認識を持つべきだと思います。


そんなB型肝炎ワクチンですが、先日も書いたように国は一貫してかたくなに母子感染しかないので積極的に接種する必要はないという立場を崩しません。

(はっきりそう言っているわけではありませんが)


ですが国際的に見ても、世界中がこのワクチンを接種して子供を将来の性病から守っているのが常識なのに、日本だけ接種していない現状を各国は白い目で見ています。

早急な定期接種化が待たれるワクチンですね。


ワクチンは生後2カ月から接種が可能です。

性病である以上、大人だって感染する可能性があるわけで、ご両親も一緒に接種すべきです。