B型肝炎ワクチンがいよいよ来年定期ワクチンになりそうですね。


まだ予算が組まれていないので確定じゃありませんが、おそらく0歳児のみが対象となり3回接種となるとのことです。

来年以降の話だし、しかも1歳未満しか助成されないみたいなので、今から接種控えすることは絶対にやめましょう。


B型肝炎がなぜ必要なのかは過去の記事を読んでくだされ。



さて、かねてから書いてきましたが日本はワクチン後進国です。

その後進国ぶりを象徴するものがB型肝炎ワクチンなわけです。


というのも、ほとんどの国で、あの北朝鮮ですら、B型肝炎ワクチンが定期ワクチンとされており国を挙げて国民ほぼ全員が接種されているのです。


子供にワクチン接種をすることにより集団免疫ができ、結果的に大人のB型肝炎患者も減少することが分かっているからです。


日本では僕らのような小児科医が一生懸命公費化されるよう働きかけてきたものの、国の腰は相当重かったわけです。



そもそもB型肝炎ワクチンがなぜ必要なのかという周知が国民に全然進んでいない現状があります。


僕なんかが一生懸命こうやって必要性を説いたところで、いまだに「母子感染しかないから親がキャリアじゃなければ接種の必要はない」と考えておられる人は多いし、そう言ってしまう医者までいる始末・・・


B型肝炎を持つ人は日本で100万人はいると言われています。

その大半が自身がウィルスを持っていることを知らずに周囲にばらまいているという現状を知らなければなりません。


そしてそのウィルスの感染力は強く、唾液や涙を介して簡単に感染してしまうのです。

保育園などで感染してしまうわけです。


で、唾液などで簡単に感染してしまうものを防ぐのは容易ではありません。

が、ワクチンでこれを防ぐことができるのです。


お子さんをB型肝炎から守るために、保育園に入れる前にワクチンを済ませておくしか方法がないのです。


そういった周知が進められていないことが問題なのです。



そもそも国が進める気が全くなかったという背景があります。


その証拠に皆さん、厚労省のHPを見てみましょう。


「B型肝炎は常識的な生活を送っていれば感染することはまずありません」

と、今でもはっきり書かれているのです・・・


常識的な生活ってなんだよ。。。



ワクチンを定期接種にするためには莫大な予算が必要です。

子供たちをB型肝炎から守るために予算を費やすことを、ずっと拒み続けてきたわけですね国は。


厚労省のHPでこんな説明をして、B型肝炎に関して国民がいつまでも無知でいてくれるようにしているわけです。

でも昨今は僕らのような小児科医やワクチンのメーカーなどが一生懸命啓蒙活動をした結果、事実が国民に知られるところとなり、さすがにもう騙しようがなくなってきたため重い腰を上げたって流れなのです。


来年ようやく定期接種となると皆さん喜んでいるようですが、僕に言わせれば

「遅せえ~よ!!」

です。



未だに「常識的な生活・・・」と言っている厚労省というか国の後進国ぶりにあきれるばかりです。

厳密にいうと後進国というよりは、子供の健康のために予算を費やすことを拒んでる国って表現が正しいでしょうかね。