現在普通に接種が進められている4種混合ワクチン。
それってどうなのよ？と以前から僕は述べてきました。
簡単に要約すると、
１．使われているポリオの株がセービン株であること
２．そもそも世界初の4種混合ワクチンであること
この2点です。
ワクチン後進国の日本が、どういうわけかどこの国も使っていない新ワクチンを開発して国を挙げて音頭をとって投入したのが4混です。
ところが内情はといえば、使われているポリオの株が現在世界的に使われている野生株（イモバックスなど）ではなく、日本独自に古くから使われてきたセービン株から作られたモノでした。
実際に世界で流行しているポリオは野生株なわけで、確実に予防しようとするならば野生株ワクチンを接種すべきです。
ところが日本が新ワクチンにチョイスしたのがセービン株でした・・・
セービン株のワクチンだけ接種しておいて、果たして日本にポリオが持ち込まれて流行した際に予防できるかどうかは分かりません。
もしかしたら予防できるのかもしれません。
でももしかしたら予防できないかもしれません。
野生株ワクチンさえ接種しておけば何も悩む必要はなかったのです。
新しい4混なんざ開発しないで、3混の製造を止めることなく、ポリオはイモバックスを輸入して接種していれば何の問題もなかったわけです。
後進国は後進国らしくしてればよかったわけですよ。
ところが何を思ったか4混を独自に開発し、これまで使っていた3混を製造中止にしてしまった。
3混が製造中止になり、当院では3混+イモバックス（野生株）といった予防方法ができなくなりました。
仕方なく4混を使用していますが、国産4混だけしか接種していない方には、いずれイモバックス（野生株）の追加接種を当院独自で実施することを検討していたところでした。
また、これはまた後日書きますが、高学年で接種する2種混合に百日咳が入っていないことが問題視されています。
2期接種を2混(ジフテリア・破傷風)ではなく3混(百日咳・ジフテリア・破傷風)にして、百日咳の抗体価を維持させることが重要なのに、3混がなくなってしまえばそれもできなくなります。
独自の４混を開発・承認したこと。
そしてさっさと従来の３混を製造中止にしてしまったこと。
明らかに早まった真似をしたものだと思います。
はっきり言って国の失策だと言わざるをえない。
そこにきで最近、こんなうわさを耳にしました。
近々国は、ポリオの5回目の追加接種を定期化させる。
その際に使われるワクチンはイモバックスとする。
といったもの。
さんざん音頭をとってきたセービン株ではやはり不十分と考えて、今度は野生株ワクチンの接種を勧奨するわけです。
「これまでセービン株ワクチンを接種させてきたけど、それは間違いでした。すいません。ついては野生株ワクチンを追加で接種してね。」
とは国は言いません。
でも、このような新しい方法を（もし事実なら）勧奨するってことは、国の失策を認めているようなものですがね。
国が率先して音頭をとってきた4混の失敗を認めたってことですよ。
このうわさが事実なのか分かりませんが、こうなることは以前から分かり切っていたことなのです。
で、その先に予測されるのは、突然需要が増したイモバックスの接種希望者が殺到し、輸入が追い付かなくなり大混乱が起こることですね。
早急にイモバックス（野生株）の追加接種を開始させ、製造中止となっていた３混を再開させるべきです。