病児保育室ブルーラグーンは、来年1月から利用料金を値上げすることに決めました。


そもそも当初なぜ1日2500円に設定したかといえば、補助を受けて運営されている他の施設の利用料がこれくらいだからです。

で僕は強気にも、川崎市内で補助を受けている病後児施設と同価格にすることでガチンコ勝負を挑んだと以前に書きました。


そりゃ相手は補助金を受けているし、それ以外にも市の児童福祉課が税金をふんだんに使って宣伝も行っています。

一部のうわさでは児童福祉課の課長は、

「税金をいくら投入してでもブルーラグーンを潰す!」

と言っているとか・・・


立地も決して良いわけではありません。

病児保育施設は、その特性上できれば駅前などに構えるのが理想です。

一般の保育所でも言えることですが、パパママが通勤の途中で子供を預けることができるという利便性が求められます。

ブルーラグーンは駅から徒歩10分。

市内の他施設に比べると立地条件も分が悪いです。


でも!

ブルーラグーンには、それらの弱点を補ってあまりある、良質かつ信頼できるサービスが提供できていると思ってます。


・突然預けられてしまったお子さんが、すぐに楽しい気分になれる雰囲気作り

・また来たいと思えるような空間

・医療機関併設型の強みを活かした、手厚い医療体制

・そして何より、医者である僕以下、優秀で信頼できるスタッフ陣


これらは他のどの施設にも負けないだけの充実ぶりを持っています。


だからこそブルーラグーンは毎日多くの利用者があり、遠方からでもわざわざ利用に来られる方がいるのです。

親にしてみれば、

「近くの中途半端な施設よりは、遠くても安心の施設に預けたい」

という思いの表れであり、そう考える人が多いということがこの1年ちょいでよく分かりました。


ブルーラグーンのニーズはやはり非常に高いことが証明されました。


ですがこれだけのパフォーマンスを維持するにはお金がかかります。

繰り返しますが、本来経費の4分の1を利用者負担とし、のこりの4分の3を行政からの補助、という形でようやくトントンになるのが病児保育施設です。

ブルーラグーンは市が補助を出してくれないため、4分の3を僕個人が負担して経営されています。


僕は当然ながら病児保育施設で儲けようとは思っていません。

上で書いたように、補助を受けてトントンからちょい赤くらいにしかならない施設ですから。

このように元々収益性の低い施設であるから、誰もやりたがらないというのが、残念ながら現在の日本の事情です。

もっと手厚い補助を出して黒字が出るようにして、「病児保育は儲かる」と思われるようになれば、日本に病児保育施設が増えることでしょう。

それがひいては少子化対策になるということは以前も書きました。

僕が考える少子化対策についての考え方はこちら を是非ご覧ください。


ですが残念ながら、質の良さを追求するあまりブルーラグーンは1年で破たん寸前まできてしまいました。

それでもニーズが高いことは証明されているので、利用したい方が困ることがないように、申し訳ないけど値上げという形で僕個人の負担を少しでも軽減させることで、ブルーラグーンを存続させようと考えました。


5000円になってしまったことで利用者が激減してしまうかもしれません。

そうなった際には、5000円のブルーラグーンは皆さんのニーズではなかったということが証明されますし、その時は潔く退きましょう。


でも、僕が悩みに悩んでのギリギリの苦渋の決断であったということ、これだけは分かっていただきたい。

誰にかって?

行政にです。