昔の古い記事(こちらを参照) の続編です。
そう、かかりつけ医、もっと言えば「小児科専門の開業医」と仲良くなっておきましょう!ってことです。
月に2回ほど、保健所の集団検診に行きます。
だいたい50人以上診察するのですが、1歳半検診などでは僕は必ず母子手帳のワクチン歴を確認します。
当然ながら抜けているワクチンがあれば接種するよう指導しますし、全然接種していない奇特な方にはじっくりと御説明いたします。
で、気になったのが(高津区だけかどうか分かりませんが)、大きな病院で予防接種をしてらっしゃる方が結構おられるってことです。
この辺で言えば高津中央病院とか帝京溝口病院とか市立多摩病院ですね。
その病院が悪いという訳では決してありません!あしからず。
普段からワクチンを接種している所が必然的に、風邪とかで受診する「かかりつけ医」ということになりますから、そういった方々は大きな病院をかかりつけにしているってことになります。
これは問題ありだと思います。
そもそも前にも書いたように、大きな病院はそれなりに重症なお子さんが受診する病院ですから、少々の風邪で行くべきでないからです。
みんながみんな大病院をかかりつけにしようものなら、本当に重症な方が受診できなくなってしまいますし、社会問題にもなっている慢性的な大病院の混雑の原因になりかねません。
少々の風邪といった小さな相談事はまず近くの「小児科専門の開業医」に行くべきです。
大事なことは一人の決まったドクターに継続的に診てもらうということです。
大病院だとまず曜日によって担当医が違うことがあり、受診するたびに言われることが違う、なんてことだってありますし、何よりも覚えてもらいにくいですよね。
かかりつけ医を作る最大のメリットは、その先生と懇意になることです。
医者と懇意になっていれば、我々医者とて人間です、仲の良いママからの頼みごととあれば、本来は断ることであっても便宜を図ってあげちゃうことだってあるんです。
まあ本来はいけないことです。医者はすべての患者に等しく平等であるべきであります。
でも、そこは人間同士。多少の人情はあってもよいと僕は考えます。
ただ、それはあくまで普段から懇意にして信頼関係があるからこそ可能な人情であって、あまり親しくなく信頼関係の出来上がっていない患者さんから無理な要望があっても「ダメ!」と断るのは当たり前ですよね。
「大病院にかかる安心感」はあるかもしれませんが、大病院の先生とはよほどのことがない限り懇意になることは難しいでしょう。
また懇意になっても、病院という組織の一員なのであまり便宜は図ってくれません。
それに対して開業医は個人商店みたいなものですから、かかればかかるほど顔を覚えてもらえるし、信頼関係はどんどん高まっていきます。
仲が良ければ、普通はダメなことでも特別にOKしてもらっちゃうことだってあるかもしれません。
そんな開業医と懇意になる最大のチャンスが予防接種です!
通常は病気にならなければ受診する理由がありません。(当院は病気でなくても遊びにくる方が多いですが、それは例外でしょう)
予防接種なら病気でなくても、生後2カ月から強制的に最低でも月に1回はその先生と会うことになります。
これは先生に自分の顔を覚えてもらえるまたとないチャンスです。
他方で、その医者がママにとって相性の良い医者かどうかを見極める機会でもあります。
予防接種の段階からあらかじめ相性の良い医者が見つかっていて、それなりに信頼関係が築き上げられていれば、いざお子さんが病気の時にはその先生もきっとよくしてくれるでしょう。
例外は当然ありますが、受診頻度と医者との親密度は比例するもんです。
受診頻度を上げるにはまず予防接種から通い詰めることだと思いますよ。
人一倍モノ覚えの悪い僕だって、毎週通ってくれればさすがにママの顔やキャラは覚えるし、仲良しになります。
そこで(できればママの方から)雑談などふってもらえれば、なおさらでしょうね。
3分診療で突っ走っている毎日ですが、仲の良いママとちょっとした雑談をして一瞬診療の手を休めるってのは、意外に僕にとってもホッとできる時間だったりします。
ちょっと不純ですが、
「あ、ママ今日は綺麗な服着ているな」とか、
「今日はとても御機嫌だな、なにか嬉しいことでもあったのかな」とか、
とにかくそのママのことをこちらが意識するようになれば、しめたものです。
そのママはもう完全に僕の記憶に刷り込まれていますので、信頼関係完成ですよね。
ですから話を戻しますが、なるべく予防接種は近くの信頼できる、あるいは今後信頼関係を作っていきたいと思う「小児科専門の開業医」で受けるようにしましょう。
ところが・・・当院は別です。。。
当院はかかりつけ患者さん全員が予防接種を受けられるだけのキャパシティがありません・・・
普段は当院にかかるけど予防接種だけは別の病院で、というママが多いです。
これは当院の予防接種が「予約が取りづらい」くらい混雑してしまっているからです。
こればかりはこちらのキャパシティもあるので、致し方ありません・・・
ただでさえモノ覚えの悪い院長なので、ママと会う回数が少ないと僕も中々ママの顔を覚えられないこともあります・・・
でも、その代わり当院は「どんな相談でもウェルカム」というスタンスですから、一般診療でどうでもよいと言われそうな湿疹の相談とか、育児相談とか、何でも受けます!
そういった所で受診回数を稼いでいただき、僕に早く顔を覚えてもらえるようにしましょう。
僕と懇意になっていれば、何かあった時に決して悪いようにはしないはずです。
些細なことでいいんです。虫さされ1個でいいんです。
ちょっとした湿疹でいいんです。
どんどんその先生に会いに行って、どんどん仲良くなりましょう!
実はこっちも仲良しのママが来てくれることを待ってるんですよ。
で、もしその段階で「これくらいで来るな」って言われたり、言わないまでもそんな雰囲気を出すような医者だったら、それは医者を変える判断材料にもなるでしょう。
なんにしても、皆さんが早く素敵な相性の良いかかりつけ医と出会えることを願ってます。