先週のニュースで風疹の患者数が1万人を超えたと報じられました。


はっきり言って、

ワクチンで防げる病気の患者が1万人も出る国なんて先進国の中で日本だけです。


テレビでは、お子さんが妊娠風疹症候群だと分かったとある母親が、

「なんの罪もない子供をこんな目にあわせてしまった・・・ワクチンを接種していれば・・・」

と涙ながらに後悔していました。


またまた「ワクチン後進国」ぶりを世界に露呈した形ですね。


そもそも統計によれば、患者の大半が「どこで感染したか分からない」とのこと。

日本人がいかに普段周りのバイオハザードに無関心・無頓着で生活しているかってことでしょう。

それは感染させた人にも言えることです。

これだけ風疹が流行している中で、自分に少しでも疑わしい症状がでたら外出しない!こういうことを徹底しないと感染拡大は止まりません。

熱があっても平気で満員電車に乗るという、日本人特有の根性主義という言葉で美化されたモラルのなさ


先進各国では、ワクチンに対する認識も当然のことながら、感染に対する考え方・自己防衛がしっかり教育されています。

抗体が無いのにフラフラと街を出歩く真似は絶対にしませんし、自分が熱があって少しでも感染症の疑いがある場合には他人に感染させる可能性があるので会社を休みます。


国民性の違い、といってしまったらそこまでですが、そういったものが根本的にある限り日本はワクチン後進国のままでしょう。



さて、そんなわけでこれ以上感染を喰いとめ、不幸な子供たちがこれ以上増やさないために早急にすべきことはワクチン接種です。


MRワクチン(麻疹・風疹の混合)の接種ということになりますが、これは実費で1万円くらいします。

で、自治体によっては無料にしたり助成したりして接種を促しています。

川崎市でも条件付きではありますが2000円で接種ができます。



このブログで何度も書いてきたように、風疹ワクチンはすべての人が接種するべきです。

「自分は妊娠する予定が無いから必要ない」

ではないんです。

自己防衛だけでなく、自身が感染源になってしまわないために、社会のエチケットとして大人は全員が接種する必要があります。

(抗体がある人は別です)


なんてことを言ってた矢先、先日のニュースで「8月頃にワクチンが不足するかも」と。

でもって厚労省は、

「妊娠の予定のある人、妊婦のご主人を優先的に」

といってきました。


何度も言いますが、特定の人だけに接種したって流行は食い止めることができません

全員が一斉に接種して一気に抗体を獲得させることが急務であって、優先順位がどうとか言っている場合ではない!


そもそもワクチンの製造には数カ月かかるわけで、昨年の段階で大流行することが予測されていたわけで、その段階で増産体制をしていなかった国の責任は大きいと考えます。


風疹患者が増加し続けていることを受け、最近になってようやくメーカーに増産を指示、となると完成するのは9月ごろ、だから8月頃に不足するってわけです。

国が今まで風疹の流行に本気で取り組んでいなかった証拠であり、ごく最近になってようやく重い腰をあげたんだという証拠に他なりません。

なのにひょうひょうと、

「流行に伴い8月頃ワクチンが不足する可能性が・・・」

さらには、

「したがって優先順位をつけて接種を・・・」

だとお~・・・


ふざけんな!!と言いたい。


全てが後手後手に回る方針ばかりとるこの国は、やはりいつまでたってもワクチン後進国なのです。

そして、こうしている間にも先天奇形をもったお子さんは増えます。

統計には出されませんが、風疹が原因でやむなく中絶を決めた方もいるでしょう。

知らないところで多くの罪もない子供たちの命が失われているのです。


この現状を、国はどう考えているのか。

日本は世界に対してこの現状をおおいに恥じるべきです。



今日は久々に怒り心頭モードの院長でした。