副作用が相次いで報告されている子宮頚癌ワクチン。


今年4月から定期予防接種に指定され、来月あたりから各家庭に接種の案内が配布される予定でした。


そこに来て厚労省からの突然の「接種勧奨を控えよ」とのお達し・・・


結構現場は混乱しています。

当院にも問合せが殺到しており、スタッフが対応に苦慮していました。


「接種を中止せよ」ではなく、「接種勧奨を控えよ」という、中途半端な表現がいかにも厚労省らしいですね・・・


中止したら我々医者たちから「また止めるのか!」と責められるし、かといって続ければ被害にあった方々から「何故続けるのか!」と責められる・・・

まあ板挟みになっているお役人さんたちの心情が見え見えだし、悩んでいる気持ちは分からなくはないです。

が、もっとはっきりと言っていただきたい!!



僕はこのブログで子宮頚癌ワクチンは、最近急増している若い世代の子宮頚癌を予防する効果があると考えてましたから、積極的に推奨してきました。


が、僕とて厚労省から医師免許をもらっている身分。

つまり厚労省の組織の端くれなので、厚労省のお達しには逆らうことはできません。



昔、三種混合ワクチンで副作用が多発した際に厚労省(当時は厚生省)は2年ほどワクチンを中止しました。

すると数カ月後には全国のワクチン未接種乳児で百日咳が大流行、多くの乳児が命を落としたという事例があります。

なので安易にすぐワクチンを中止するというのは恐ろしい事ですから、今回厚労省は慎重になっているのでしょうね。


でも、

「止めろとは言わないけど、勧めちゃダメ」

って言われて接種をしようと思う人がいるでしょうか・・・

結果的には中止と同じ意味ですよね・・・


まあ三種混合の例と違って、子宮頚癌ワクチンを中止したからといって、明日から急にがん患者が急増するわけではありませんので、とりあえず今は黙って見守るのが賢明でしょうか。



全世界100カ国で接種されていて安全だと言われていて中止になるような国なんか一つもなかった子宮頚癌ワクチン。

100番目に承認された日本で、なんでこんなに騒動になるのか・・・理解に苦しみますね。