新しい抗生剤をホイホイ出す先生には気をつけましょう。
新年早々から辛口ネタです。
最近特に目につくのは「オゼックス」です。
オゼックスは抗生剤の分類としては「キノロン系」を呼ばれるもので、一般的には副作用が強いため小児には使われてこなかった抗生剤です。
ところが最近になって小児にも使えるキノロンということでオゼックスが発売されました。
これを乱発する小児科・耳鼻科が非常に多い!!
確かにメーカーのうたい文句は「小児にも安全に使えます」とあります。
(まあ当然でしょう)
でも、キノロンは抗生剤の強さとしては相当強い部類に入ります。
病院に入院しているような患者に使用すべき抗生剤であり、間違ってもマチの小児科や耳鼻科程度に通って簡単に処方されるべき抗生剤ではありません。
こういった傾向は、普段から抗生剤を風邪薬のように出しまくる先生に見られます。
抗生剤は同じものを使い続けると効かなくなってきます(耐性菌ですね)。
効かなくなると次の強い抗生剤に変えて、それを使いまくる・・・
ワイドシリン→メイアクト→クラリス→オラペネム→オゼックス・・・
こんな感じで元は同じただの風邪や中耳炎なのに抗生剤だけがどんどん強くなっていく。
クラリスなどは今流行しているマイコプラズマの特効薬です。
このクラリスが効かなくなっていると、マイコの治療には非常に困ります。
溶連菌にはセフェム系のメイアクトが特効薬です。
でも日ごろからメイアクト漬け・クラリス漬けにされていると、いざ本当にその抗生剤が必要な時に治療ができません。これは大問題です。
そして今、そういった漬物医者たちは新たな抗生剤に流れています。
オゼックスなどは今までの子供たちが経験したことが無い抗生剤なので、どんな風邪だろうが副鼻腔炎だろうが中耳炎だろうが、劇的に効きます。
「あ、あの先生の出されるお薬、チョ~効いた!!」
と感動し、また風邪引いたらそこにかかる、でオゼックスをもらう・・・
いつかオゼックスも耐性菌が出来上がり効かなくなります。
抗生剤を乱用する医者には気を付けるよう以前から警告していましたが、その判断材料としてオゼックスはよいですね。
我々まとも(と自覚してます)な小児科医はオゼックスなど絶対に処方しません。
と言うより前から何度も書いてきたように、小児の感染症(カゼ)の9割以上がウィルス感染であり抗生剤は必要ないということを知っておきましょう。
オゼックスを出す医者には気をつけましょう。