最近頻繁にいただく質問です。

「いらねえ!」と断言する先生もいまだにいたりします。


かくいう僕も数年前までは、

「いらねえ!」

と断言していた一人ですが、最近は状況が変わってきました。


何故数年前まではいらなかったのかというと、当時1歳未満への接種量が0.1mlとごく微量だったからです。

世界標準は0.25ml(この量で予防効果があることが認められています)ですから、明らかに少ないので果たしてこの量で効果が得られるのか疑問だったため、あまり積極的に勧めなかったのです。


しかし去年から日本でもインフルワクチンの接種量が世界標準と同じになったため、1歳未満のお子さんでも0.25mlとなりました。


この量なら充分な予防効果があることが世界的に証明されています(ちゃんとした文献的な裏付けもある)ので、接種する価値はあるでしょうね。

医学的に予防効果はあるということです。


この量でも1歳未満には抗体がつきにくいと言う医者もいますが、文献的な裏付けがあるのと、そもそもワクチンの特性からして年齢が若いほうが抗体ができやすいため、1歳未満でも効果はあると僕は考えています。


さて、そこで問題になってくるのは、果たして必要があるかどうか、です。

そもそも任意接種ですから、接種するか否かは個々の価値観によります。


述べたように、接種することで充分な抗体価が得られるので予防効果は期待できます。

ですが、1歳未満の乳児に予防させる必要があるか?と聞かれると返答は様々です。

それはご家庭の生活環境によるからです。


お子さんが保育園に行っているのであれば、保育園は感染症の温床ですしインフルも流行するでしょうから、接種した方がよいかと思います。


逆に、保育園に行かないお子さんであれば、感染する機会は少ないと考えられます。

可能性があるとすれば、家族からの感染くらいしかないでしょう。

なのでそういったお子さんであれば、本人を接種させなくても周りの家族が接種してその子への防御壁となってあげれば、それがその子にとっての「予防」となります。

出費をしなくとも「予防」になるわけです。

(ご家族の出費はありますが・・・)


お子さんがインフルをもらいやすい環境にあるのかどうか、そこで接種の必要性を検討されるのが良いかと思います。



繰り返しますが、1歳未満でも接種することで一定の予防効果はあります。

要はその予防効果を必要とするか否かです。