どんなワクチンであっても、1回接種しただけでは充分な免疫と効果の持続は得られません


僕が散々書いてきたように、ポリオだって世界標準スケジュールである、4歳での追加接種が重要です。

MRだって就学前に追加接種があります。

三種混合だって、高学年になったらDTとして追加をするのです。


繰り返しますが単発やって「ハイ終わり!」ってワクチンは存在しません。


ここで本題に入るのですが、最近になり皆さんの関心が高まってきている、おたふく水痘のワクチンです。


日本ではこれまでこの2つのワクチンは1回接種が通例とされてきました。

おたふくは難聴、水痘は脳炎など、まれに重篤な合併症を引き起こす病気ですので、「かかってしまえばそれでいい」なんて古い考えをお持ちの方は最近は減りました。

(でも困ったことにいまだにそう指導する小児科医がいたりします・・・)

このようにまれに恐ろしい合併症を起こす病気ですから、予防するにこしたことはありません。


日本で流行するわけがないポリオなんざを公費ワクチンにする前に、おたふくや水痘をさっさと公費助成せえ!!と思うのですが、残念ながら日本ではまだこの2個のワクチンは自費です。


で、これらのワクチン、本当は2回接種が世界の常識です。

理由は上で書いたように、1回では不十分で、追加接種することで始めてワクチンの効果を発揮するからです。

水痘は3カ月ほどあけて2回目おたふくは3~5年後に2回目を追加接種することが望ましいでしょう。


当院などでは、自費ワクチンをあまり積極的に推奨するのはなんか商売くさいからという理由で、基本的にはあまりしてきませんでした。

ロタワクチンなどに至っては「いらん!」と断言してしまうこともあります。

が、おたふくと水痘は絶対に必要なワクチンです


ありがたいことに、ここ数年でママ達もワクチンに関して多くの知識を持たれるようになってくれたおかげで、こちらから出費を勧めずとも自主的に接種に来て下さいます。

ですが、まだまだ追加接種に関する知識は浸透しきっていないようです。


出費を勧めるのは気が引けますが、2回接種が好ましいでしょう