先日、第3回目の経営戦略会議を開催しました。


そこでファイナンシャルプランナーの方からふと質問が、

「利用料金のことなのですが・・・」


会議に列席された方々は皆さん経営のプロフェッショナルばかり。

そんな皆さんの共通した意見は、

「高い料金設定でも充分集客があるのではないか」

「だとすれば、それで収益がでるのであれば、その方が良いのではないのか」

といったものでした。


一番最初に皆さんに提案した料金プランは、入会金を取って、利用料は1時間1500円でしたっけ。

これでもベビーシッターを雇うよりは安いから利用したい!という意見がかなりあったため、これで良いかと思ったのですが、結局は一律1日2500円に決めました。


最初の料金プランでは、利用者が多ければ収益はトントンから若干プラスになる感じ。

で、最終案の1日2500円では、当然ながら大赤字です。


経営のプロの方々は、「収益」という観点から前者を推奨されたのでしょう。



ですが、ここに僕が病児保育施設を作ろうとした目的が出てきます。

目的は2つ。


1.クリニックのブランド力を高めるため


それほど収益性のない施設です。

これで儲けるというよりは、クリニックに病児施設を併設することでクリニックのブランド力向上を狙ったわけです。


2.社会正義のため


都内にも横浜市にもある病児保育施設が川崎市にはない。これは大きな問題だと思います。

これだけ人口が増えてベッドタウン化している川崎市にです。

僕は赤字覚悟でこの事業を興すことにより、世の中に訴えかけたいんです。

だれもが利用できるような施設が必要であると。



主に「2」の理由で、料金を大赤字の一律2500円に設定しました。

高い料金を取って、一部の富裕層だけを対象にした病児保育をやったとして、それはそれでビジネスとしては成り立つでしょう。

ですが僕がやる理由は別にビジネスのためではなく、社会正義のためなのです。

こういった施設にもっと補助金を出してやらなきゃだめだろ川崎市さんよ、と。

そして「誰もが公平に利用できる施設」であることは、当院の「どんな相談でもウェルカム」というポリシーにも通じます。

それには誰もが払える料金でなければなりません。


全国的に病児施設の利用料は2000円~2500円と格安です。

それは行政から補助があるからこそ成り立っているので、当院のように市から補助が受けられない施設では大赤字です。

でも、「だからこそあえて」全国的な平均の利用額でやることに意義があると考えてます。


そのために足が出ることは覚悟の上でしたし、繰り返しになりますがこの事業で儲ける気は毛頭ないのです。