これまでに何度も書いてきました。
お陰で当院でB型肝炎ワクチンを接種される人は急増し、当院周辺では浸透してきたようです。
ただ、相変わらず世間の認知度が低く、しかも誤った認識が広まっています。
「親がキャリアじゃないので接種しなくていい」
などと平気で言ってしまう医者がいる始末。
正しい知識を持って、患者さんに正しい予防法を伝えるべき医師が、このような無知では困ります。
試しに、かかりつけの小児科さんにB型肝炎ワクチンの必要性について聞いてみてください。
上のような返答があった場合、その先生には気をつけましょう。
B型肝炎は、もちろんキャリアの母親からの母子感染が有名ではありますが、感染経路はこれだけではありません。
実際に統計をみるとB型肝炎の最近10年の感染経路で最多なのは「性的接触」で実に61%です。
これは年々増加傾向にあり、性病としての対策が必要とされている感染症なのです。
B型肝炎ウィルスの感染力は非常に強く、唾液でも感染します。
実際に保育園で唾液を介して感染したという例もあります。
他にもごく少数ではありますが、「輸血」「歯科治療」「入れ墨」「ピアス」「針刺し事故」など報告があります。
このように、意外に身近に存在している感染症であることを認識しましょう。
我々小児科医などは、B型肝炎ワクチンを早急に公費助成して接種を推奨すべきだと考えています。
実際、とある県では近々独自に公費負担を始め、接種推奨をしていく自治体も出てきています。
ヒブ・肺炎球菌がほとんどの自治体で公費助成となった今、次に公費負担されるべきワクチンとして第一候補なのがB型肝炎ワクチンなのです。
(ポリオではないのです!)
世界的に見ても、6種混合ワクチンなどに組み込まれており、定期予防接種として接種することが当たり前になっています。
定期予防接種にならないどころか、「キャリアからしか感染しないので接種しなくていい」などと平気で言い放つ医者がいる日本が、いかに遅れているかを知りましょう。
B型肝炎ワクチンは生後2カ月から接種可能です。
感染経路が上で書いたように多岐にわたるため、あらゆる年代層で接種の必要性があるでしょう。
乳幼児は唾液などから感染しますし、10代以上では性感染症として重要です。
現在は自費接種になりますが、B型肝炎は恐い病気です。
生後2カ月を過ぎたら積極的に接種を開始すべきですし、大人も是非接種しなければなりません。
繰り返しますが「接種しなくてよい」などと言う医者は無視しましょう。
当院では他のワクチンとの同時接種も可能です。