ネタのストックが無い綱渡り状態ですが、昨日のニュースをみて怒りがわいてきたので思わず書いてしまいました。



インフルエンザワクチンの2回目はちゃんと保障しましょうよ、という趣旨の記事(「そこは責任持ちません?」) を書きましたが、今回は不活化ポリオワクチンの話。


神奈川県で集団接種が始まりましたね。

僕の予想通り例の政治パフォーマンス好き知事が、どや顔で接種会場を視察してましたね。

あの人のパフォーマンスには呆れるばかりです。

当院に来られているママにも聞いてみましたが、聞いてみたママ全員が落選だったそうです。

1200人分しかないんですからね。

今後ちゃんとした本数が輸入されるかどうか注目しましょう。

もし今後、「みなさん全員に接種してもらおうと努力しておりますが、輸入がどうしても追い付かなくて」などと言い出そうものなら、これで今回の1200本が単なる知事の話題集めの政治パフォーマンスだったことが裏付けられるでしょうね。

必要な本数は少なくとも数十万人分(しかも1人に2~4本は必要)は下らないわけで、当然知事はそれだけを確保できるあてがあったうえで接種に踏み切ったはずです。

あてもなく見切り発車したのかどうかが今後分かるでしょう。


ところでこの集団接種の会場、茅ヶ崎だとか小田原だとか、県の端っこばかりだと気付きましたよね?

神奈川県の人口の大半が集中している川崎市と横浜市に接種会場が1個もないのは何故か知ってますか??

あれは川崎市と横浜市の、

「あの阿呆な知事の言うことには協力できない」

という意思表示なのです。

そもそも何も聞かされていなかったし、医師会などにも相談なしに思いついたように「県はやります」とかいきなり言いだすもんだから、そりゃ協力できませんよね。

知事はもっと事前にしっかりと市はもとより我々末端の不活化ワクチン取扱医療機関などと協議すべきだったのです。

そうすれば「基礎疾患がある子には出来ない」だとか医学的に意味不明な接種制限をしたり、ハガキによる抽選といった中途半端な方法を取ってひんしゅくを買うこともなかったし、川崎や横浜も喜んで協力したはずなんです。

あの知事の政治パフォーマンスには気をつけましょう!!


川崎・横浜の都市部から山奥までワクチンの接種に出かける人は本当にお気の毒としか言いようがありません・・・



さて話はちょいと変わりますが、というかここから本題に入るのですが。

今回神奈川県が不活化ポリオの集団接種を始めるのをきっかけに、不活化ポリオワクチンを取りやめるクリニックがいくつかでてきています。

1回目の接種をしたクリニックで2回目の接種予約をしようとしたら、

「県で始めるので当院は終了しました。県で接種してください。」

とのこと。

そうやって当院に流れてくるママが非常に多い。

(そんな当院だって予約いっぱいでとんでもない倍率です)


さっき書いたように、県のワクチンは相当の倍率です。

それなのに安易に止めてしまうというのは、やはり無責任だと思いません?

止めるにしても、せめて現在接種途中のお子さんだけでも最後まで完了させてあげるってのが、本来あるべき形だと思います。


事実上補償のない輸入ワクチンですから、何かあれば責任は我々がすべて負わなければなりません。

それを覚悟の上で我々はやっているのですし、そのリスクから逃げ出したくなる気持ちは分からなくはないですが、でもやると決めた以上は最後まで責任もってやり通さなければならないと思うのですが。