医療にえこひいきは絶対に許されません。


ですが開業医とて血の通った人間。

自分を支えてくれる人、頼ってくれる人、信じてどこまでもついてくれる人、そういった患者さんにはやはり特別な思い入れができてしまうものです。


他でもない不活化ポリオの予約のことです。


現在は予約の争奪戦。

毎日午前0時に仁義なき戦が起こり、それに勝ち残った人が予約を取ることが出来ます。

ほとんどが当院に一度も来たことのない一見さん


県内でも不活化ポリオを取り扱っている医療機関はごくわずかですので、当院の噂を聞きつけ遠方から接種を希望する人は非常に多いことでしょう。


ですがその反面、普段から当院をかかりつけにしてくださっていて、予防接種も全部当院でやっているような「お得意さん」が不活化ポリオの予約が取れなくて困っています。


僕個人の考えとしては、開業医とは地域に根差した医療を展開するのが使命だと思ってます。

「まちのお医者さん」になるのが子供のころからの夢で、それを今実現しつつある最中。

ありがたいことに、当院をひいきにしてくださるママが非常に増えてきました。

開業して1年が経つ頃には、そのママが次の子を出産して、その子があっという間に1歳になって・・・

そんな子供たちの成長を見守りながらする仕事は非常にやりがいがあります。


ちょっと話がそれましたが、そんな当院をひいきにしてくださるママ達には、やはりこちらも応じてあげたいと思うのが人間です。

非常に仲が良くなったママなんかには、こっそりポリオの予約を取ってあげちゃいたと思ったりします。

「お得意さん」にはそれなりの目に見えるメリットがあってもいいんじゃないか、と思う時もあります。


でもそれをするとキリがなくなりますし、医療の平等性がなくなるので絶対にしてはいけないことなのです。



それでも、地域のお子さんの為に導入した不活化ポリオワクチンを、遠くの一見さん(しかも一見さんのくせにクレームばかり言う)ばかりに独占されてしまっているのが今の当院の状況です。



非常に悩みます・・・

お得意さんにVIPカードでも発行して、いつでもポリオの予約が取れるように取り計らってあげたいものです。


でもそれは良識ある医師として絶対にしてはいけないこと。


当院をごひいきにしてくれるママ達は、どうか分かってください!

皆さんのこと、僕たちは大好きですよ!!