そんなこんなで不必要な検査を極力しないのが僕のポリシーでありますが、そんな僕でも検査はすることはあります。
冬場などはインフルエンザ検査の雨あられです!
僕は検査をするかしないかを決めている要素は、
その検査結果により患者に利益があるかどうか
です。
例えばインフルの検査をして陽性と出れば、その子にはタミフルが処方できます。
タミフルの投与によりインフルエンザの症状を緩和させてあげられる訳です。
これは患者さんにとって利益ですよね。
溶連菌検査により陽性が出れば、その子には抗生剤の処方ができます。
これにより溶連菌による重大な合併症である腎炎を防ぐことが出来ます。
これも利益ですね。
といった具合に、検査をすることにより有意義な治療法が見つかる可能性がある場合は、僕は検査をします。
逆に検査結果により患者に利益がない場合はどうでしょうか。
つまりイコール、検査結果が出ても治療法に変わりがない、あるいは治療法がない場合です。
下痢をしているお子さんにロタウィルスの検査をするとしましょう。
ロタの胃腸炎は治療法がありませんから、ロタだと判明したところでその子の治療法は何も変わりません。
検査された患者さんには何の利益もないですよね?
(むしろ検査しただけ医療費がかさみます)
数あるウィルス性胃腸炎の中からロタだけ特定したって、なんの意味もありません。だって、ロタもノロもアデノも、みんな等しく治療法は無く経過観察するしかないから。
ロタが陽性だろうが陰性だろうが、ウィルス性胃腸炎である以上、適切な制吐剤や整腸剤と水分補充で経過観察することは一緒なわけで、検査結果が治療方針を左右することはないのです。
「ロタでした」という医者の自己満足だけの検査だと僕は考えます。
同様にRSやアデノの検査などもそうです。
これらは元々治療法のない感染症ですから、それが分かったところでどうすることも出来ません。
そのような検査、僕は無駄と考えます。
(RSなどは入院する場合に部屋を決める際に必要となることがありますが)
ですので、治療に結びつかない検査は当院ではしません!
昨日と今日の記事は、あくまで僕個人のポリシーです。
これを「間違っている!」とお考えのママは検査をたくさんしてくれる所を受診すればよいだけのことです。
医師それぞれで診療方針は様々ですので、ご自分の考えに合った医師を選び、主治医にすればいいだけの事です。