夏の旅行シーズンになると必ず現れる相談。
「8時間飛行機に乗るのでその間子供を寝かせたいんです」
「子供がよく眠れるお薬をください」
中には平気でこういった要望に応えてしまう小児科医や内科医がいたりするものだから困ったものです。
僕は基本的に絶対にそんな愚かな真似はしません!
「あそこの先生は出してくださいましたよ?」
と言われても僕は絶対に処方しません。
そもそも、子供に気軽に処方できる眠剤などありません。
MRIなどの検査の時に使用する麻酔薬を転用することはあります。
そんなお薬を平気で旅行用に処方するとんでもない医者は最低ですね。
MRIの検査中にお薬の影響で呼吸停止してしまう事故が多発しているのは、最近の新聞やニュースでも報じられていることです。
僕も実際に、自分の担当の新生児のMRI検査中に呼吸停止した場面に出くわしたことがありました。
僕は必ず、眠らせてMRI検査を行う際にはモニターを装着するようにしていたので、その子はすぐに救命処置が出来て事なきを得ましたが。
そんな恐い薬を平気で旅行用に処方してしまう先生がいますので気をつけましょう。
そして、そんな強いお薬じゃなくても、「少し眠くなる」風邪薬を処方する医者もいますが、これも駄目だと思います。
我々が日常普通に処方する風邪薬だって、ごくまれに呼吸停止したり痙攣をおこしたりすることだってあるのです。
その先生は、1万メートル上空でその子がもしそのような事態に陥った場合を考えているのでしょうか。
そこまでしてお子さんを眠らせて飛行機に乗りたいママ達。
僕に言わせれば、
そんな大きな危険を冒してまで旅行に行きたいですか?
と言いたい。
子連れは旅行に行くな!とは言ってません。
かくいう僕もこの夏、1歳になったばかりの息子を連れて沖縄に行きました。
息子は大恐竜RENの異名の通り、とっても手のかかる子ですが、飛行中は妻と交代であやしながら過ごしたものです。
小さなお子さんを連れて長時間飛行機の旅行に行かれるおつもりでしたら、飛行中ずっとお子さんをあやし続ける覚悟で行きましょう。
繰り返しますが、
安易に子供を眠らせるお薬を使うのはやめましょう!
(そして安易に処方する医者には気をつけましょう)