「子宮頚癌の原因は何とウィルス感染だった!!」
どこかの記事が「スクープ!」的な感じで報じてましたね。
そんなの、前から分かっていたことです。
日本人の感染症や予防接種に関する認識・知識の後進国ぶりがまた露呈する出来ごとでしたね。
子宮頚癌がウィルス感染によっておこされる癌であることは「世界的常識」です。
まだ知らなかった人は、覚えておきましょう。
そして報道関係の方、それくらい知った上で記事を書きましょう。
子宮頚癌の約99%はHPVというウィルス感染により引き起こされます。
(つまり100%と考えてもよいでしょう)
HPVは性行為などで感染するのもので、けっこう多くの女性の子宮頚部に住んでいます。
たいがいは無症状ですむのですが、まれに子宮頚部の細胞を癌化させるウィルスです。
いわゆる「癌年齢」というのは40~50代ですが、この子宮頚癌に関しては20~30代の若い女性に多いのが大きな特徴です。
働き盛りのキャリアウーマンや、子育てまっただ中のママが罹ってしまう癌です。
そして、年々増加傾向にあります。
強調したいのが、
HPVを防げるワクチンがあるということです。
HPVの感染を防ぐワクチンですので、先ほど述べた「すでに子宮頚部にウィルスが住んでいる」女性にはあまり効果は期待できません。
(もちろん接種して損はありませんが)
なので性行為によってHPVに感染する前に予防することに大きな意義があるわけですね。
そこでこの春から中学生と高校生への接種が無料化されますよ、というのが以前の記事でした。
今までは自費でしか接種できなかったこのワクチン、非常に高価です。
当院では16000円・・・しかもこれを3回。
とても声を大にして接種を勧められる価格ではありませんでした。
でも無料化により、多くの女性が接種できるようになります。
とても素晴らしいことです。
どっかの誰かさんが買占めさえしなければ・・・・