ポップス(?)、イージーリスニング(?)「シバの女王」という曲があります。
これは旧約聖書「列王伝」の章にある、シバの女王が世界の王ソロモンを訪ねてきたくだりに基づくもの。

(ヘンデルの作曲した「シバの女王の入場」もこのエピソードに基づいています。)

辺境の地からはるばるアラビアの大砂漠を越えてイスラエルにやってくる話。
政情の不安を解決するため、知恵者を求め、名高きソロモン王を訪ねてやってきます。

女王はキャラバンに、数々の貢物の金銀財宝を携えてやってきます。
苦しい長旅の後に、ソロモン王に謁見(えっけん)し、その知恵を確認するため、数々の謎をかけます。

ソロモン王はそれらの謎をことごとく瞬時に解き、
シバの女王はその知恵に感激し、イスラエル王国を祝福し山のような財宝を献上したという。
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何故、謎を掛けるためだけにシバの女王はやってきたのか?
一説では、それは交易を認めてもらう意味だったとの話もあります。

 ですが、、謎は深まるばかり。

何故なら、古代世界のどの書物にもこの出来ごとを決定的に裏付ける証拠がありません。
シバの国が本当は何処に有ったのかさえ、明確には解っていません。

一説ではセム語族のひとつサバ(シェバ)族が貿易に活躍し、その一つではないか?とも。
エチオピアにあったという説、アラブに有ったという説・・
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ただ、、一つ・・・現在、シバの女王に関して、現在、こんな話しがあります。

エジプトの世界遺産、アクスム。。

「アクスム」はエチオピアの北部にある都市で街全体が世界遺産として登録されています。

一般に、アクスムは現在のイエメンに当たる南アラビアから紅海を越えてきたセム語系のサバ(シェバ)人が中心になって建国されたと考えられています。
反対説も多々あるようですが・・

アクスムのキリスト教建造物の中で最も有名なのが「シオンのマリア教会」(^^)v

拝堂には聖書に描かれている建物「アーク」があると言われています。

そう、、インディージョーンズの映画「失われたアーク」でもおなじみの「アーク(聖柩:せいひつ)」
かつてアークは聖地エルサレムのソロモン王宮殿にあったとされていますが、ある時を境に歴史から姿を消します。
そのため「失われたアーク」といった表現をされます。

諸説あるなかで、13世紀に編集されたエチオピアの歴史書「ケプラ・ナガスト」にシバの女王に関する記述があります。

シバの女王がエルサレムを訪れ、そこでソロモン王との子供、メネリク1世をもうけます。
そのメネリク1世がエチオピアにアークを持ち去ったと歴史書に書かれています。
そのアークが、現在はアクスムの「シオンのマリア教会」の礼拝堂に保管されている、というのです。

アークの中にはモーセの十戒を記した石板が納めてあると言われ、そのため「契約の箱」「聖柩」と呼ばれています。
 

 はるか3000年の昔・・・そんな物語があった。。

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演奏:レーモン・ル・フェーブルオーケストラ