欧米市場のレビュー
5月24日、欧米の為替市場では米ドルが下落しました。具体的には、米ドル/カナダドルが1.36477カナダドルに、ユーロ/米ドルが1.08524ドルに、英ポンド/米ドルが1.27454ドルに、豪ドル/米ドルが0.66309ドルに上昇しました。
この日の注目ポイントは、米国の5月のミシガン大学消費者信頼感指数(確報値)が69.1となり、市場予想の67.5を上回ったことです。ただし、インフレ期待は速報値から下方修正されました。1年先のインフレ期待は3.3%(速報値:3.5%)、5年先のインフレ期待は3.0%(速報値:3.1%)となりました。この結果が市場に強く影響しました。
本日の相場見通し
市場では、欧州中央銀行(ECB)が6月6日の理事会で利下げを行うという予想が広がっています。週末にECB理事会メンバーが相次いでこの予想を裏付ける発言をしました。
- ナーゲル・ドイツ連銀総裁:6月に最初の金利調整に踏み切る可能性が高い。
- パネッタ・イタリア中銀総裁:ECB理事会内で利下げの必要性についてコンセンサスが高まっている。
- チポローネECB専務理事:抑制的な金融政策を巻き戻す(利下げ)ことができるとの確信を強めている。
市場の関心は、「ECBが6月に利下げするかどうか」から「7月以降の利下げペース」へと移っています。
本日、レーンECB専務理事、ホルツマン・オーストリア中銀総裁、ブイチッチ・クロアチア中銀総裁が講演を行います。これらの講演で、7月以降の利下げペースについて手掛かりが得られるかどうかが注目されています。もし、レーン専務理事らが利下げは緩やかに進める必要があるとの認識を示せば、ユーロにとってプラスになりそうです。
日銀の動き
日本では、日銀金融研究所主催の国際コンファレンスが開かれます。ここで、日銀の植田総裁が日本時間午前9時5分から挨拶し、内田副総裁が午前11時5分から講演を行う予定です。植田総裁や内田副総裁が日銀の追加利上げや国債買い入れ方針について言及するかどうかが注目されており、もし言及があれば市場に影響を与える可能性があります。