く キングレコードにおけるノイミーの位置付けを確認するためにキングレコードの決算を調べてみたら意外と面倒でした。キングレコードは非上場会社なので公開情報が少ないからです。キングレコードのほとんどの株式を保有する筆頭株主の講談社も非上場会社でした。

 一応キングレコードの決算の売上が約120億という数字を見かけたのでそれを前提に話を進めます。私自身はレコード会社の収益について詳しくないので以下の記事は推測によるものです。大きな認識違いがあるようならコメントでお教えください。



 キングレコードにおけるノイミーの位置付けを検討する前にAKBのキングレコードからユニバーサルへの移籍について検討します。まずキングレコードの売上約120億は私の想像より大きな金額でした。確かオリコン調べ

による2022年のAKBのCDなどの売上は約10億でした。売上の何%がレーベルのキングレコードの取り分なるかは契約条件によるので不明ですが一般的に50%と言われています。つまり2022年のキングレコードのAKBの売上は5億となり売上に占めるAKBの売上割合は約4%となります。この時にキングレコードの所属アーティストを見てもAKBがトップセールスと思えるのでキングレコードの収益のメインはCD売上以外となります。それを考えると著作権利用料が思い当たります。つまりカラオケなどの印税がキングレコードの主な収益となっていると考えられます。歴史の長い老舗のレコード会社らしい収益源といえます。


1 AKBの過去作の著作権の扱い

 AKBの過去作の著作権の扱いについては情報がないので分かりませんがおそらくキングレコードのままだと思われます。ユニバーサルがAKBの過去作の著作権も買い取ったならそれなりの金額になるのでニュースになったはずです。そうなるとキングレコードにとってはAKBの移籍は売上4%減の影響となります。


2 ユニバーサルのAKB評価

ユニバーサルがAKBの過去作の著作権を買い取っていないならAKBの将来性を評価しての移籍となります。将来性というよりは安定性があるとの考えだと思います。つまり今後数年数億円の売上が見込めるアーティストという評価です。ユニバーサルはAKBのCD売上が急激に落ち込むことはないと判断したということです。ただこの売上に関しては一点懸念事項があります。それはCDリリースが年1回だと売上が半減するということです。そのような事態はユニバーサルは容認出来ないと思われるので何らかの形で秋元康はこの移籍に関して年2回のCDリリースができる作詞活動をするように契約させられたと思います。今後AKBで年2回以上のCDリリースが継続すればこの推測の可能性が高いと思われます。


3 ノイミーの位置付け

 前にも記事にしましたがコロナ禍でのノイミーのデビューはキングレコードが秋元さんに頼まれて引き受けたと想像しています。そしたらオリコン調べのノイミーのCDなどの売上は5億なのでキングレコードの売上は2.5億となりました。つまりキングレコードの売上割合の2%が増えたことになります。棚からぼたもち的な幸運といえます。キングレコード所属にはSTU48がいてCD売上が多いのですが年間売上の方は年3回CDリリースをしているノイミーの方が大きいと思われます。そうなるとキングレコードにとってノイミーがトップセールスとなりそれなりの配慮があると考えられます。キングレコードにとって主な収益源の印税があるのでノイミーに対して無理な売上増は要求しないと思われます。


4 ニアジョイデビューへの配慮

 そうなるとノイミーの12月リリースという売上減少の可能性が高い短期間リリースが謎ですが、これはキングレコードの都合ではなく代アニ側の都合と考えると説明がつくと思い当たりました。

 つまり2024年はイコラブ、ノイミー、ニアジョイの同月発売を行わないという代アニのCDリリース方針があるという仮定です。ニアジョイのデビュー後のCDリリースはノイミーのそれを参考にしている可能性があります。ノイミーは4月にミニアルバムでデビューして7月にファーストシングルが出ました。このスケジュールをニアジョイに当てはめると1月にミニアルバムが出て4月にファーストシングルが出ることになります。

 ノイミーは11月(イコラブ)、1月(ニアジョイ)、3月(イコラブ)、4月(ニアジョイ)と確保された巻き添えを受けたことになります。残っている月は12月、2月、5月となります。12月と5月の組み合わせだと今回の12月のCDリリース間隔が3ヶ月間隔となりますが2月と5月の組み合わせでもそこが3ヶ月間隔となります。12月のCDリリースと2月のCDリリースのどちらかを選択するならボーナス支給が見込まれる12月を選択するのが常識です。

 ちなみにニアジョイのファーストシングルが5月になった場合はノイミーは4月のCDリリースが可能となるのでその場合にも12月にCDリリースしておけば4ヶ月間隔となり都合がいいです。


 イコラブとニアジョイは同じソニーミュージックの所属なのでスケジュールの調整が効きますが、ノイミーは別レーベルのキングレコードなので早晩同月発売は発生すると思われます。今回はニアジョイのデビューの御祝儀としてスケジュールを譲ったと考えると説明がつきます。

 このスケジュール予想だとすると12/29のノイミーの札幌コンサートの特報は周年コンサートの発表だけになりそうです。


 キングレコードの収益の推測がたってAKB移籍による売上減少が限定的とわかったので、キングレコードが無理な売上増をノイミーに要求しないと理解しました。むしろトップセールスとして指原Pに配慮してプロデュース環境を整えていると思われます。キングレコードがノイミーのCD売上減少が見込まれても12月リリースを容認したのも代アニへの配慮かもしれません。


 代アニがイコノイジョイの同月発売をしない方針にこだわっていると仮定するとノイミーの12月のCDリリースとなるメカニズムは分かりました


(追記)コメントでAKBのオリコン調べのCD売上が約10億と判明したので数値を修正しました。


(追記)レコード会社の売上の取り分などの契約はストリーミング配信などで見直されてくると思います。レコード会社を通さない音楽配信が可能だからです。その環境で未だにCD売上がある分野はアイドルとアニソンですがキングレコードはその両方を手掛けているので収益に安定性があると思われます。


(追記)2024年3月20日  ノイミーのファーストアルバム発売が発表されました。 

イコラブとノイミーで同月販売を避けるという予想が外れました。