月曜、火曜とフランスには嵐が上陸した。パリもこの二日間はずっと雨。しかし、雨が上がった火曜日の夕方から昨日にかけて、空は抜けるような青。今年に入ってからずっと鬱々としたグレーの空の下で暮らしてきた身としては、この青空の復活は喜ばしい限り。日も徐々に長くなってきたようだし、春の気配を感じてもいいということなのか。

日本へのバカンスから帰ってきた一月の頭から、パリはしばらくマイナス数度の日々が続いた。首をすくめながら足早に歩くパリの街路はあまりにも冷たくて、自然と眼光は鋭く、唇は引き締まる。気持ちのほうもだんだん冷えてきて、完全臨戦態勢、楽しみは棄てて黙々と勉強を続ける日々。寒々としたこの街で、なんとしてでも生き残っていくことだけに集中する。

太陽のまぶしさに懐かしみを覚えながらオペラ通りを歩いていて、少しだけ気持ちがほどけるのを感じた。ああ、そういえばパリに住んでいたんだったな、ということを思い出した。この街も、実はそれほど悪いところではないのかもしれない。暖かくなれば、またその魅力を取りもどすのかもしれない。春がこれほどまでに待ち遠しいことなんて、日本にいたときはなかった。