日曜日。見事にすることがない。ホストファミリーの家に一日中いるのもなんだが気詰まりだし、しかたがないのでポンピドゥーセンターに行く。昨日はロダン美術館に行ったばかり。なんだか毎日美術館めぐり。
以下、簡単な感想。ロダンはやはり天才。とくに、彼が彫り上げた女性像の、あごから頬にかけてのやわらかい曲線、背骨のあたりの肉の付きかた。あれは、視覚的な模倣によって彫りあげられたものではない。あれは、実際に女の身体を触りまくって、モデルの肉の付き方をみずからの手に覚えこませた上で創りあげられた彫像。ロダンにとって作品を創造するという行為は、おそらくゾクっとするほどエロティックな作業だったんだろうな、と思う。
ポンピドゥーセンターについて。四階が二十世紀後半、五階が二十世紀前半の絵画という構成。たしかにピカソやマティス、またシュルレアリスム系の作品の充実度には目を見張るものがある。ただ、やっぱりちょっと古いんだよね~ フランスという国の特徴なのかもしれない。古いものを保存する能力には非常に長けている。しかしいま現在、新しい何かを生みだす熱がここにあるかと問われれば、首を傾げざるをえない。
もうひとつ。ヨーロッパはやはりどこかで「モラル」というものに縛られているような気がする。キリスト教的な価値観、とまで言ってしまえるのかどうかは分からない。ただ、反モラル性を売りにした作品であっても、日本人の僕からすれば「それほど大したことないじゃん」と思ってしまうようなものが多々ある。
会田誠の作品で、裸の女子高生が何百人もジューサーミキサーに入れられて攪拌されている絵がある。ああいうのはヨーロッパからは絶対に生まれてこないだろうな、と思う。人間を純粋に欲望の対象として見る、あるいは想像力を断絶して個人をひとつの物体としてとらえる、そういった態度は実は日本的なものなのかもしれない。それがネガティブな方向に向かうと、老人に席を譲らないとか、イラつくから人を殺すといった凶行にまでいたるのだろう。けれども、そういった残酷さがアートの方面で発揮されれば、ヨーロッパ人が決して考え付かないような作品が生まれてくるのではないだろうか。
ところで今日、十月からの授業の内容を確認してみたのですが、これが想像以上に大変そうで…… 細かいことはまたそのうち書きます。でも、まあ、あまりにも勉学を生活の中心においてしまうと、ちょっとでもつまずいたときに精神的に取り返しがつかなくなる気がする…… フランスにいる間にしておきたいことのプライオリティをここらできちんと決めておいたほうがよさそう。
1) ???
2) 修士号を取る
まだよく分からない。少なくともディプロムを取得することが一番ではないことだけはたしか。日本にいたころから思っていたけど、本当に楽しい時間って友達や恋人と酒を飲んだり遊んだりしているとき。それ以外のことは人生のスパイスみたいなもの。そこらへんのことを忘れてまじめに勉強ばかりしていると、かなり危ないヒトになってしまうので気をつけよう。