ようやくネットがつながる状況になりました。いま、パリ大学の図書館にいます。パリについて三日目、大学への登録も済ませ、あとは行政的な手続きなどを残すのみです。
いま、パリまで40分くらいかかる、けっこう郊外のホストファミリーの家に住んでいます。まあ、ホームステイというものはけっこう気を使うものなので、できるだけ早くアパートを見つけようと思っています。
パリの感想。二年前にフランスにはいちど来ているので、とくに感興はありません。言葉も通じるし、とくに衝撃といったものはない。強いて言えば、あまりにも刺激がないということが驚きというくらい。
ここでは時間が淡々と過ぎ去っていく。なんか、プルーストが『失われたときを求めて』を書いた理由がわかるような気がする。のっぺりとした時間がぺたぺたと通り過ぎていくので、自分の過去でも振り返らないと、気がついたら年をとって死んでいた、ということになりかねない。
ベルグソンにせよドゥルーズにせよプルーストにせよ、時間というものを扱った作家がフランスに多いというのも、なんとなくうなずけるような気がするのです。
いまから言うのも気が早いが、やはり形はどうであれ、来年の六月の終わりには東京に帰ったほうがいいように思う。フランスに来て予定以上に居ついてしまった人が周りにわんさかいるが、この国にはどうもそういう落とし穴、時間の感覚を狂わせる雰囲気があるような気がする。もちろん、それが非常に大切な体験になるということもあるとは思うが、僕の場合はあまり長くここにいないほうがいいような気がする。
さて、これから昼食を食べて、また行政手続きをしに行かなければならない。やるべきことを淡々とこなしていけばいいだけなので、苦痛も感じなければ、とうぜん喜びを感じるわけでもない。異なる環境に着たばかりだからなのかもしれないが、とにかく、自分の中の感受性が徐々に徐々に凍り付いていくのを感じています。