ドーモ、皆=サン。俺だ!
今回はひさかたぶりに初心者向けアンティークコイン講座!
ターレル、ターラーについて知ろう! 雑学だから、ニュービー以外の皆=サンにも多少は為になる…といいな!
ターレル、ターラーとは?
ドイツやオーストリアなどでかつて流通していた大型銀貨だ。
16世紀のはじめ頃、ボヘミアのヨアヒムスタール(現在チェコ)にて、大規模な銀鉱脈が発見され、そこで採れた銀で打たれた銀貨がヨアヒムスターラーと呼ばれた。
他の鉱脈のある渓谷でも同様に銀貨が作られ、それらをひっくるめてターラーと呼ぶようになった。ちなみに、タールはドイツ語で谷と言う意味らしい。
ある意味好き勝手に(?)発行していたため、ターラーと名のつく銀貨でも時代や国、地域によって重量や品位はバラバラ。このため、いくつかの地域で足並みを揃えようとした試み(条約)は起きている。
ターラーに由来するもの
オランダのRijksdaalder、スウェーデンのriksdalerはこのターラーに由来するそうだ。
また、アメリカをはじめとしたドル(ダラー)の語源はこのターラーだ。
アメリカ独立戦争で資金調達のために発行していた紙幣(債券に近い)は、スペイン・ドレラで償還すると約束していた。
このため、この紙幣がダラーと呼ばれるようになった。
なぜスペインの通貨で償還を約束したかというと、当時アメリカは信用力がなく、多く流通していたスペイン・ドレラ(と言っても多くはメキシコの銀で打たれていた)を裏付けに使ったのだ。
それぞれの言葉
スペイン語のドレラ(tálero)はターラーの意味で、ターラーが訛ったもの。
イタリア語でターラーはtallero。
日本語ではご存知の通り、ターレル、ターラーと言われている。
英語はThalerまたはTaler。Thalerの記載が多い様に感じるが、ヘリテージではTalerと記載。
ドイツ語はTalerだが、1901年まではThalerとつづっていたらしい。
(ドイツ語wikiによると、1901年とのことだが、頂いたコメントによると、1947年発行の書籍にTALERと記載されていたためこの綴りが使われるようになったそうです。ご指摘ありがとうございます!)
再度補記
谷は1901年のドイツ語の正書法改革よりTalに統一された。
これにより、talerという綴りが生まれたと思われる。詳しくはこちら。
今回はここまで!サヨナラ!