ドーモ、皆=サン。タダノコレクターです。
 
フォロー指せてもらっている方のブログを読んでいたら書きたくなったので、グレーディングの50台と60台の境界について思う所をテキトーに。

 
グレーディングの基準は、キズと摩耗具合によるものだが、60と58の境界については摩耗の多寡によるところが強い様に思う。摩耗がほぼ見当たらないのが60以上。摩耗が多少あるのが58以下。

PCGSのグレーディングスケールの比較表も、以下の通りとなっている。

  •  60:磨耗無し。かなりのへこみ/ヘアラインが見受けられる場合がある、ストライク(図案の鮮明さ)は完全でない場合がある
  •  58:ハイポイント(凸部)に僅かの磨耗が見られるが、ディテールは完全である

 

説明を読む限りだと多少の差しかないように思えるが、50台と60台には深い溝がある。NGCやPCGSのグレーディング表をチェックしている方なら気付いていると思うが、MS60がつくケースは実際少ない。
普通に考えると、前後のAU58とMS61の数がそれなりにあるのならば、MS60はそのどちらかの数ぐらい(もしくは平均ぐらい)あってもおかしくない。これは統計的に、鑑定するコインが多ければ多いほど、正規分布…つまり平均値から、なだらかに減っていくのが普通だからだ。直観的にわかると思うが、前後の状態のコインがいくつもあるのに、その真ん中の状態のコインが極端にない、と言うのは不自然だ。
 
しかし、実際には以下の通り、60がつくケースは少ない!
ちなみに、この表はナポレオン一世40フランの現時点(2020/11/29)でのNGCグレーディング抜粋。
MS60はXIAであれば、5~15枚ぐらいあってもおかしくない。12Aと13Aであれば、15~20枚ぐらいあってもおかしくない。しかし実際に60が付いているのはXIAに1枚あるだけだ。
なお、NGCやナポレオン一世のコインに限らず、この傾向はある。
(アイエエエ!60少ない!?ナンデ少ない!?)
 

グレーディング表

 

これは、鑑定会社が意識的に60台と50台で境界を設けているためと思われる。 60台は未使用という認識が強いため、60台に対する判別が厳格化。 そのため、境界に近いコインがふるい落とされ、結果60を付けるコインが減ってしまったのでは?(もしくは、UNC-detailにしているかもしれない)
 
なので、単純にグレーディングの数値だけでなく、コインそのものもしっかりと見た方が良さそうだ。(と言っても、キズか元々の凹凸か、摩耗か浅打ちかを判別するのが難しい場合がありますが(笑))
なお、タダノコレクターの鑑定眼はフシアナめいているのであてにしてはいけない。いいね?
と、数字ではなくオチがついたところで今回はこの辺で。
サヨナラ!