ドーモ、皆=サン。
タダノコレクターです。
 
今回は久しぶりに図書館で借りてみたコイン本、ブックレビュー第四弾だ!
 
コインの歴史
 著者:忍泰男 / 造幣局泉友会編

 

コインの歴史 表紙

 

日本のコインの歴史について記載された本だ。
初版が昭和59年と古いため、新しく発覚した史実は載っていない場合もあるが
(例えば富本銭の記載がない)、日本の硬貨の変遷を記した資料として参考になるだろう。
 
本書の大まかな流れは、まず日本のコインの元となった古代中国の貨幣を解説し、当時日本の最初のコインと考えられていた和同開珎にはじまり、奈良・平安時代の貨幣、信玄の甲州金や秀吉の大判、徳川幕府の貨幣政策、明治政府の貨幣制度、戦中、戦後昭和の貨幣までを解説している。

 
また、巻頭ではカラー写真で古代中国の貨幣や古代日本の貨幣、大判小判に一分金、二分金、一朱、二朱が掲載されている。本編でもすべてではないが、下の様に図絵によりコインが記されていてわかりやすい。

 

コインの歴史 中身

 

やはり洋の東西を問わず、日本でも資源や財政不足→品位や重量を落として改鋳→インフレによる経済混乱が起きている。ヌワーッ!
しかし、財政問題からではなく、明治時代は貿易対策のために品位や重量を検討したり、大正時代は銀価格の急騰・下落に振り回された経緯が記載されている。

(ちなみにアメリカの貿易銀と同じ重量、品位にした貿易銀を明治八年に発行したが、銀としての価値からめざとい外国人商人たちに鋳つぶされ銀塊にされたりしたらしい。ヤンナルネ。)
 
また、日本のコインはどちらが表か裏かにつても、注釈に載せてあり雑学としておもしろい。
(細かい経緯はここでは省くが、法律的な取り決めはないらしく、明治三十年の貨幣制度改革からの慣習で年号のある面が裏、内面が表という扱いらしい。)
 
この本で希少な日本コインの種類や特年などを知ることはできないが、私の様に日本のコインの知識が皆無の人間にとっては、その知識や歴史を知るのに良い一冊だ。

といっても私の場合、その知識は本を返却したら忘れてしまいそうだが…、細かい事は気にしてはいけない。いいね?

 
と、日本コインの歴史に思いをはせつつ、今回はこの辺で。
サヨナラ!