カウンセラーとしての「基本的傾聴」~具体的事例 | 多田健次のオフィシャルブログ

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カウンセリングにはいろいろな定義がありますが、
たとえば、國分康孝氏のカウンセリングの定義は、
「言語的および非言語的コミュニケーションを通して、
相手の行動の変容を援助する人間関係である」
となります。

私は精神医療の専門家ではありませんし、
どちらかというとコンサルタント(問題解決)思考
に興味を持っています。

しかし、それでもカウンセリングを勉強しているのは、
やはりベースは聴くチカラにあると考えているからです。

心理カウンセラーとして、
いわゆるカウンセリングマインドを持ったうえで、
相談事項に弾力的に対応することを心がけています。


では、カウンセラーとしてどのような感じで
対応するのか一例をあげておきます。


【設定】
Aさん、クライエント40歳男性、IT系企業勤務
妻と子供1人(3歳)



私:今日はどのようなご相談でいらっしゃいましたか

Aさん:(下を向いて肩を落として)
はい・・・先日プロジェクトチームリーダーに任命されまして

私:リーダーに任命されたのですね。
もう少し具体的にお話ししていただけますか。


Aさん:先日部長から呼び出されて、新商品のプロジェクトチームを創る予定があり、そのチームのリーダーになってくれないか、と打診されたのです。とても嬉しいことなのですが、やっていけるかどうか。

私:任命されたことは光栄だけど、やっていけるかどうかと不安なのですね

Aさん:そうですね。私はリーダー的なタイプではなく、チームメンバーがついてきてくれるかどうか。大きなプロジェクトなので失敗も許されないので、プレッシャーで。

私:Aさん自身は、リーダー的なタイプではないと思っていらっしゃる・・・

Aさん:そうですね・・・

私:Aさんは、どのようなタイプの方がリーダーに向いていると思われですか

Aさん:やっぱり決断力があって、責任感があり部下からの信頼を得られるような人かと。

私:なるほど、決断力や責任感がある人がリーダーに向いていると思われるのですね。 部長さんはどのような点を評価してAさんをリーダーに任命されたとお考えですか

Aさん:うーん・・・・(沈黙15秒)
やっぱり真面目に業務に取り組んできたことを評価されたのかなとは思います

私:誠心誠意、業務に取り組んでこられ、そこが評価されたと。 リーダーには業務に真面目に取り組める姿勢は必要と思われますか

Aさん:もちろん、必要だと思います

私:真面目に業務に取り組む姿勢も必要だけど、決断力なども必要で、そこに対する自信が持てないということですね

Aさん:はい・・・

私:決断を誤ってしまい失敗したらどうしようという不安は、具体的にはどのような場面なのでしょうか。

Aさん:そうですね。たとえば、新商品を取り扱うときに、商品名をどうしようかとか、パッケージをどうしようかとか何個かある代替案の中から、最終的にはリーダーが責任を持って選ぶ必要があると思います。その時に正しく決断するチカラがいるかなと。

私:なるほど~。商品のネーミングやパッケージを決定する場面もでてきますよね。その時に正しく決断ができるかどうか心配なのですね。

Aさん:はい、私が選んだ方が間違ってしまう可能性はありますよね。あっちにしておけば良かったとか、きっと後悔すると思います。

私:確かに正しく判断できることもあるし、間違う可能性もありますよね。そのようなリスクは発生するかとも思うのですが、その点についてどうのようにお考えでしょうか。

Aさん:間違うリスクは絶対にあると思います。それはどんな優秀なリーダーでも常に正しく選択できるわけではないと思いますので。でも、やっぱり失敗はしたくないのです。

私:リスクはつきものだと考えてはいるものの、失敗することを考えるとプレッシャーがかかるのですね。

Aさん:そうなんです。だからリーダーに任命されたのは光栄なことだけど、ためらってしまうのです。


特に、まだ信頼関係が築けていない時には
自分の価値観の押しつけや、問題解決はしない
というのがカウンセラーとしての役割です。

上記の会話の中にはいろいろなスキルが使われています。

こうした基本的傾聴を理解できていれば
あとはケースバイケースで対応が可能となります。