最近は諺にはまっております。
「ことわざ辞典」なるものを暇があれば読んでいるのですが、
日本人はよくこんなに例えを考えたものだなぁと感心いたします。
日常的に使う言葉や、よく聞く言葉の中でどれだけ「ことわざ」を使っているのかがよくわかって大変勉強になります。
当たり前のように自分が話す言葉の中にも無意識的に「ことわざ」を使っています。
その中で非常に興味を引く「ことわざ」がありましたのでご紹介したいと思います。
こちらは普段使用するようなものではないですけど
【石に枕し流れに漱ぐ】=いしにまくらしながれにくちすすぐ
・俗世間から離れて自然に親しみ、隠遁生活を送るというたとえ
自然の中で生活を送るので、石を枕にして寝て、川の流れで口をすすぎ、洗うというようなイメージでしょうか。
これだけでは「ふ~ん・・・」で終わるのでしょうが、これとよく似た「ことわざ」があります。
【石に漱ぎ流れに枕す】=いしにくちすすぎながれにまくらす
・負け惜しみが強くヘリクツを付けて自分の間違いを正当化する例え
「あれ?」
なぜこんな意味になるんでしょう?
「ことわざ」だけを聞いても絶対にこんな意味を想像することはできないですよね。
私が興味をひかれたのはそこでした。
実はこの「ことわざ」は作られたときの状況を知っていないと意味がまったくわかりません。
作られた時の状況はこうです。
昔、中国の晋の時代の政治家である孫楚という人が「枕石漱流」=(俗世間から離れたい)と言おうとしたところ誤って「漱石枕流」と言い間違えてしまったとの事。
すかさず、
「流れを枕にできますか?」
「石で口はすすげますか?」
と突っ込まれると孫楚は
「流れを枕にしたいのは俗事を聞いて汚れた耳を洗いたいからで、石ですすぐのは汚れた歯を磨いて丈夫にするためだよ」
と咄嗟に見事な言い訳をしたそうです。
この見事な言い訳を「さすが!」と称賛して
さすが=流石
という漢字が生まれたとか。
そういえば「流石」という漢字は当て字なのはわかりますが、なぜそんな漢字になったのか考えたことがなかったので非常に興味深い「ことわざ」だと思いご紹介しました。
余談ではありますがご存知「夏目漱石」の「漱石」はこの故事からとったものだそうです。
頻繁に使用するような「ことわざ」ではありませんが、我々が日常的に使っている言葉が何百年も前の出来事から発生していると思うと興味深いですね。
