徒言人
色色に
あやなす蝶は
雨くだし
東へ北へ
秋を運びつ
秋立てば
風いづこより
鮮やかに
地球は廻る
人生もまた
森に満つ
歓喜の蝉は
始まりと
終わりの宴
命震ひて

朝まだき
夜の底より
残り香の
風涼しかり
夏よ目さむる
太陽の
シズルし ずくの
花巡り
揚羽羽ばたき
夏を描ける
刻まれし
年輪の香気
貴(あて)なるを
翌檜(あすなろ)は明日へ
円環を開く
雲垂れる
重きとばりの
向こうより
一番蝉告ぐ
夏の音なひ
宙ぶらり
空に爪を立て
今という
縛(いまし)め捕らえ
捕われ生きる

谷裂ける
水爆弾よ
帯をなす
天の水がめより
人が作りし

