徒言人 -2ページ目
峠ごえ
あら叢雨(むらさめ)の
一面に
みどり児の泣く
瑞枝(みづえ)さしゆき
今日もまた
善き一日を
生きたねと
夕空いっぱい
独りごつ時

閑(しず)かなる
森に抱(いだ)かれ
朝は聞く
緑の雨の
ギター鳴らすを
薔薇酒に
くちびる分かつ
黄金比
彼方の次元へ
泡咲き溢(こぼ)れ

密やかに
鴇(とき)色の心
とき粧(めか)し
花かんばせの
雨待ち渡る

手のひらの
小さき窓に
神住まふ
空の碧きも
隣びとも知らず
満月に
引力見た り
赤き宵
人の瞳を
とらへ留むる
哀しみも
苦しみさへも
忘却といふ
美しき
琴の音(ね)に包まれ
早足の
梅雨の訪れ
憂ふるも
迎ふる花は
雨思ひ染む

憎しみの
炎後の世に
降り注き
鋼(てつ)空統べる
神は虚しく

