日経平均の11月の数値は以下の通り:
始値 27,614
高値 28,502 (24日)... 前月高値の27,602からは上昇
安値 27,032 ( 4日)... 前月安値の25,621からは上昇
終値 27,968 ... 前月終値比 +1.4%
10〜11月の日足は以下の通り。
10月初から上昇していた日経平均は25日から反転下落、
29日にトレンドラインを下抜けた様にも見えるが、
最終日の30日にはなんとか25日線(青線)で踏み止まった感じ。
これを少し長い期間で見ると以下の通り。
4月頃から25,700前後〜28,400前後のレンジに入り、
10月初にレンジ下端にタッチしたが反転上昇、
11月24日にレンジ上限に到達したが、そこで反転。
いずれにせよ、3月末からのレンジ内での動きとなった。
これらの動きの要因は;
10月初からの上昇は、FRBの利上げペース鈍化への期待が主な要因。
これが、11月2日のFOMC後のパウエル会見を受け
「利上げ停止時の金利水準は高くなりそう」
「利上げが終了し利下げに転換するのはかなり先になりそう」
などの見方が広がり米株が急落、これを受けて日経平均も下落。
しかし、その後は以下要因を主要因に上昇を続けた;
①4日発表の10月雇用統計で雇用増は予想を超えたものの
失業率が予想以上に上昇した。
②中国がコロナ対策の規制を緩める姿勢を見せ始めた。
③米国中間選挙での共和党優勢との予想。
→ 8日の中間選挙結果、下院は共和党が過半数取得。
上院は12月決戦投票の1議席を残して民主党が丁度半数確保。
④10日公表の消費者物価指数(CPI)と
15日公表の卸売物価指数(PPI)とが共に市場予想を下回り、
インフレピークアウトへの期待が高まった。
それ以降もFRB要人の発言や長期金利動向、更には
ウクライナ隣国ポーランドへのミサイル着弾、などに
反応して上下したが、全般的に上昇トレンドを維持。
それが25日に下降に転じた要因は;
①中国でのコロナ感染再拡大
→ それまで膨らんでいた規制緩和への期待が萎む。
②規制強化に反発した民衆による中国各地での騒乱
→ 中国工場の生産停止懸念。
→ 幅広い分野での部品供給不足の再燃懸念。
これら状況の中、12月初公表の雇用統計などの米国経済指標、
及びそれらを受けた12月13〜14日FOMCなどを警戒しつつ、
11月を終えた。
米国の政策金利ターゲットは11月のFOMCで0.75%引き上げられ
現在は 3.75〜4.00%
CME FedWatchによれば、12月13〜14日のFOMCでは
0.50%引き上げられ 4.25〜4.50になるとの予想が全体の約 7割。
この先の予想は大きく分かれているが、
2月、3月、5月の3回のFOMCで更に0.75引き上げられ
5月時点には5.00〜5.25に至り、以降6月、7月は足踏みし、
9月か11月から引き下げに転ずる、というシナリオを
予想する向きが多い。
今後、このシナリオ通りに進むか?
このシナリオを崩すような指標や動きが出るか?
というポイントも地合いに影響を与えていくと見られる。
この間、米10年国債利回りの動きは以下の通り。
上昇を続け4%台に突入していたが、11月に入り下落。
これも11月の日経平均上昇要因となった。
なお、日銀のETF買いは、7月以降は無し。
日経平均の月足チャートは以下の通り:
9月末〜10月初にかけ長期上昇トレンドのレンジ下端に
タッチしてたが、取り敢えずは下抜けせずに乗り切った模様。
以上です。