先日、このブログに以下の記事をアップしました;
IDECOを始めるかどうか?
これを考える時、その記事に記載した事の他に、
「IDECO以外に、どんな年金があるのか?」
も把握しておいた方が良いと思い、まとめました。
あらゆるケースを想定して網羅すると複雑になるので、
ここでは会社員の場合で一般的な場合に絞って説明したいと思います。
会社員の場合、受け取れる年金には以下の7つの種類があります;
1) 老齢基礎年金
2) 老齢厚生年金
3) 確定給付企業年金
4) 企業型DC (DCとは確定拠出年金の事、別称 401k)
5) 財形年金貯蓄
6) 個人型DC (IDECO)
7) 年金型生命保険
各々の特長を下記します;
1) 老齢基礎年金
→ 国民年金に10年以上加入していた人が65歳以降に受け取れる。
(国民年金は20歳以上60歳未満の国民全員に加入義務あり、
本来なら全員受け取れるはず)
→ 20歳からの40年間、国民年金保険料を途切れなく払い続けると
老後基礎年金を満額受け取れる(年額約78万円)。
払ってない期間があると、その分受け取る金額も減る。
例えば20〜22歳の学生時代の2年間に払ってなければ、
年額約74万円になる。
→ 受け取り開始を60〜75歳に早める/遅らせる事ができ
早めたら受け取る年額は減り、遅らせれば増える。
2) 老齢厚生年金
→ 厚生年金に加入している人が65歳以降に受け取れる。
→ 企業には加入義務がある為、会社員は全員受け取れるはず。
→ 受け取り開始時期は1)老齢基礎年金と同じタイミングになる。
早めたら受け取る年額は減り、遅らせれば増える。
→ 受け取れる年額は現役時代の年収と厚生年金加入年数によって異なる。
年収500万円程度を40年間続けた場合、年額110万円程度。
3) 確定給付企業年金
→ 企業が独自に設ける退職年金制度。
→ 掛金は企業が負担。一部を従業員負担にする企業もある。
→ 企業の責任で運用し、儲けても損しても従業員への
給付金額は一定。(利益/損は企業が被る)
→ 給付金は一時金で受け取るか、年金で受け取るか、選択できる。
→ 掛金や給付金の金額は企業によって異なる。
4) 企業型DC
→ 企業が独自に設ける退職年金制度。
→ 掛金は企業が負担。従業員が任意に上乗せできる。
→ 個人の責任で運用し、運用結果により給付金額が変わる。
→ 給付金は一時金で受け取るか、年金で受け取るか、選択できる。
→ 掛金の上限は、企業負担分と従業員の上乗せ分の合計で、
3)がある企業では月 27,500円まで、
3)のない企業では月 55,000円まで。
5) 財形年金貯蓄
→ 企業によって導入してたり、しなかったり。
→ 導入している企業では、従業員が任意に加入できる。
→ 掛金は従業員負担で、給与から天引。金額は任意。
→ 財形住宅貯蓄と合わせ計 550万円までは利子が非課税。
6) 個人型DC (IDECO)
→ 従業員が任意に加入。
→ 掛金は従業員の負担で、所得控除の対象。
→ 掛金の上限は、3)も4)もない企業では月 23,000円まで。
→ 3)はなく4)に加入している場合、月 20,000円まで、
かつ4)+6)で月 55,000円まで。
→ 3)に加入している場合、月 12,000円まで、かつ
4)にも加入している場合、4)の企業負担分+6)で月 27,500円まで。
7) 年金型生命保険;
→ 従業員が任意に加入。
→ 保険料は生命保険料控除の対象(上限あり)。
→ 万一亡くなった場合、死亡保険金には相続税の非課税枠がある。
(非課税枠=500万円 x 法定相続人の数)
まとめると;
(A) 会社員なら全員入っているもの;
1) 老齢基礎年金
2) 老齢厚生年金
(B) 勤務先によっては入っているもの;
3) 確定給付企業年金
4) 企業型DC (DCとは確定拠出年金の事、別称 401k)
(C) 個人の判断で入るもの;
5) 財形年金貯蓄
6) 個人型DC (IDECO)
7) 年金型生命保険
上記の(A)で、老後に受け取れる金額は平均的には年額180〜190万円程度。
但し、厚生年金は人(年収の推移)によって全然異なるので、
より正確に見積もりたいなら日本年金機構の「ねんきんネット」
などで将来受け取れる年金を試算できます。
上記の(B)は勤務先によって異なるので、自分の企業が何を
適用しているか、将来もらえる年金はどの程度になるか、
人事部などに問い合わせてみればいいと思います。
そこまではちょっと… という方は、給与明細を見て何が天引されて
いるかだけでも知っておくのがいいと思います。
上記(A)と(B)を知った上で、(C)を、特にIDECOをどうすればよいか
考えるのがよいと思います。
尚、年収が130万円未満で配偶者の扶養に入っており、その配偶者が
会社員で国民年金をちゃんと払っている場合は、ご自分が保険料を
払っていなくても国民年金に加入している事になり、上記1)を受給できます。
この場合、1)は夫婦が各々受け取れる事になります。
老後2,000万円問題などと言いますが、上記の年金で老後の生活費を
カバーできる目処が立つならば、2,000万円もお金を貯める必要は
ないかもしれません(あるに越した事はないが)。
老後の生活設計を考える上でこの記事が参考になれば幸いです。
以上です。