日経平均の6月の数値は以下の通り:
始値 27,295
高値 28,389 ( 9日)... 前月高値の27,463からは上昇
安値 25,520 (20日)... 前月安値の25,688からは下落
終値 26,393 ... 前月終値比 ▲3.2%
3月下旬に200日線(灰色線)に到達したが上抜けしきれずに反落し
下降トレンドに入った日経平均。
5月末に下降トレンドラインを上抜けして上昇、
6月7日に200日線も上抜けし6月9日には3月下旬の戻り高値に到達。
だが、翌10日から急落。
しかし、6月20日に5月の安値に届くと再度反転し上昇。
そこからは概ね26〜27,000円間で上下し、6月を終えた。
上記下落と上昇の主な要因は以下:
3月下旬から下落した要因は;
①出口の見えぬ露ウ紛争、それによる資源/食品価格高騰。
②インフレ抑え込みを意識したFedの金融引き締め方針。
③コロナによる上海ロックダウン、それによる中国景気悪化懸念。
④上記の複合要因による米国含めた全世界の景気後退懸念。
これが5月13日以降に上昇トレンド入った要因は;
①それまでの下げの反発。
②FRB高官発言やFOMC議事録などから伝わったFedの姿勢
「0.50の利上げを複数回実施見込みだが0.75は考えていない」
「全力でインフレを抑え込む」
「景気後退は想定していない」
③上海ロックダウン6月緩和見込みとの報道→ 6/1に解除。
6月10日から急落した背景は;
①同日夜の米CPI発表前の警戒。
→ CPIは40年振りの大きな上昇幅で、発表翌日以降も株価下落。
④6/14−15のFOMC前の警戒。
→ FOMCでは前言撤回し0.75の利上げ決定。
FOMC直後は株価は少し戻したが、すぐに下落継続。
6月20日には欧州株が反発、これと、それまでの急激な下げに対する
自律反発で翌21日には日経も上昇。
以後は各種経済指標とFed要人発言に反応して上下した。
市場の関心は;
(a) 米のインフレがいつ収束するか?
→ インフレが高い間はFedが利上げペースを落とさず、
これが将来の景気悪化を招く事を懸念。
(b) 米経済は強いか弱いか?
→ これに対する市場の反応が変わってきている模様;
①従来;
経済指標が良い→ 利上げ加速を予測→ 将来の景気悪化を懸念
→ 株価下落。
経済指標が悪い→ 上記と逆で、株価上昇。
②ここ数日;
実際に悪い経済指標が出る→ 景気悪化を懸念→ 株価下落。
6月29日にパウエルFed議長が「利上げが景気悪化を招く事は
理解している。だが今はインフレを抑える事が先決」と発言。
これで「多少の悪い経済指標が出てもFedは利上げペースを
落とさない」との見方が強まっており、上記②の傾向が
益々強まる様な雰囲気。
今後もインフレ状況やFedの動向が日経に大きな影響を与えると
みられ、要注意です。尚、次のFOMCは7月26〜27日です。
尚、6月の日銀のETF買いは2度。
6/13; 701億円
6/17; 701億円
日経平均の月足チャートは以下の通り:
まだサポートラインを割り込んではいませんが、近づいてきています。
以上です。