日経平均の4月の数値は以下の通り:
始値 27,624
高値 27,965 ( 5日)... 前月高値の28,338からは下落
安値 26,051 ( 27日)... 前月安値の24,681からは上昇
終値 26,847 ... 前月終値比 ▲3.5%
本年3月9日に底を打ち猛反発した日経平均は3月25日に200日線に
到達したが上抜けしきれずに反落、以後は三角保ち合いに入った
感じとなった。
それが、25日には下抜けし、27日朝には更に大きく下落。
だが26千円直近に迫ると反発し、同日は高値引け、
翌28日もほぼ一本調子の上昇となり、4月を終えた。
主な要因は以下:
1月からの下落は主に以下の要因によるもの;
①新型コロナのオミクロン株が凄まじい勢いで感染拡大。
②ロシアとウクライナの武力衝突懸念が先鋭化、2月24日にロシア軍が侵攻。
③世界的なインフレ深刻化、特に②による原油/ガスなどの資源高騰と
穀物などの商品価格高騰がインフレに拍車、それを警戒した米利上げ早期化と
上げ幅拡大、更にそれらによる景気後退懸念。
これが3月9日から反発した背景は;
①全世界でのコロナ新規感染者数が1月下旬にピークアウト。
②ロシアとウクライナとの停戦協議に向けた前向き姿勢(当時)。
③上記②を受けた原油価格反転下落による過度なインフレ懸念後退。
更に3月16日のFOMC通過により米利上げの規模/スピードを折り込み済み
との認識が拡がり株価は更に上昇。
また、日米金利差の拡大に伴う円安進行も特に輸出株の上昇を後押しした。
これが3月25日に200日線に到達すると2〜3日揉み合い、そして
3月末に反転、4月上旬にかけ下落。この背景は;
①それまでの急上昇への過熱警戒感。
②コロナによる上海ロックダウン、それによる中国景気悪化懸念。
③露ウ停戦協議が進展せぬ中、露軍がウ国東部で攻勢強化。
→ 欧州での露ガス購入停止の動き → エネルギー不安増大。
④米国債利回りで景気後退の前兆と言われている逆イールド発生。
⑤FRB要人のタカ派発言相次ぎ、米長期国債利回りが上昇、
それによる米グロース株が下落、その流れが日本株に波及。
ところが、4月12日夜の米CPI発表を受けて米長期金利の過度な
上昇への警戒感が和らぐと、翌13日には日経平均は反発開始、
米企業の業績や米長期金利の動きに連れて上下しながらも
上昇トレンドに入り、21日には25日/75日両線を上抜けた。
が、その夜のFedパウエル議長のタカ派発言を受けて米株が急落すると
翌22日には日経平均も急落しすぐに25日/75日両線を下抜け。
以後は出口の見えない露ウ紛争とそれによる資源/商品価格の高騰、
それらに伴うインフレ懸念と米利上げ加速懸念、それらによる
世界景気後退懸念が強まっていく中、米Alphabetのダメ決算を
受けて27日に大幅下落、そしてMetaの好決算を受けて28日に
大幅に反発し、4月を終えた。
尚、日本市場が閉まっている中、米市場では;
・28日はMeta好決算を受け急上昇。
・29日はAmazonの赤字決算を受け前日の上げ幅を上回る激落ち。
5月の飛び石連休中の日本市場は大荒れかもしれません。
参考までに市場に大きく影響を与えている3つの指標のチャートを
貼っておきます。
①原油価格(WTI先物)
②米10年国債利回り
③円ドル為替レート
日経平均の月足チャートは以下の通り: まだレンジ内の動きです。
以上です。