株式投資 ー 全固体電池関連銘柄 | 投資家リプリーの気まぐれブログ

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株式投資に関して気になった事、調べた事などを気まぐれにアップしていきます。

全固体電池関連銘柄について纏めてみました。
 

主に初心者の方の銘柄選びの参考にして頂ければ嬉しいです。
尚、銘柄推奨ではありません。投資は自己責任でお願いします。
また、この記事には私の入力ミスや勘違いが含まれているかもしれませんので、実際に投資を考えられる際はこの内容を鵜吞みにせずご自身で検証されるようにお願いします。


(1) 電池の種類
 

電池は大きく分けて以下の2種類に分かれます:

 

①一次電池:

 一度使ったらもう使えない電池。

 最も代表的なのが、乾電池です。

 皆さんご存じの通り、サイズに応じ単2、単3、単4などがあります。

 ちなみに、大きな電流を要し一度電源を入れたらしばらく使いっぱなしの器具

 (CDプレイヤーなど)にはパワーがあり長持ちするアルカリ乾電池、

 小さな電流で点けたり消したりする器具(TVのリモコンなど)には休み休み使うと

 電圧が回復するマンガン乾電池が適しています。

 

②二次電池:

 充電して何度でも使える電池。

 最も代表的なのは自動車のバッテリーとして普及している鉛蓄電池だと思いますが、他にも

 材質に応じて、ニッケルカドミウム電池、ニッケル水素電池(ここではNiMHと略します)、

 大規模電力貯蔵に適したナトリウム硫黄電池、リチウムイオン電池(ここではLiBと

 略します)などがあります。

 

 尚、時計などに使われるボタン型の「リチウム電池」は充電できない一次電池で、

 充電できる二次電池である「リチウムイオン電池」とは異なるものです。

 

 全固体電池は二次電池の一種で、従来のLiBの欠点を改善した次世代の電池です。

 ある意味 「LiBの発展形」と言えるので、ここでは全固体電池について説明する前に、

 まずLiBについて説明します。

 

 

(2) リチウムイオン電池(LiB)を巡る情勢

 

当時旭化成におられた吉野氏が基本概念を確立、それでノーベル賞を授賞された事は

有名ですね。

実際の量産化は1991年、ソニーが世界初、それに旭化成・東芝の合弁やサンヨー

(現パナソニック)などが追随、当初は日本メーカーの独壇場でした。
 

それまでに量産されていた二次電池よりも電圧やエネルギー密度が高く軽量コンパクトな事や

充電による劣化が少ない事、等々により、LiBはPCや携帯電話・スマホなどの民生用を中心に

一気に普及しました。

 

そもそも日本発の技術でもあり、2000年代初頭では、自動車以外の民生用LiBでの

日本メーカーのシェアは90%以上でした。それが、国内携帯メーカーの競争力低下、

中韓の国を挙げての政策的支援、それを背景にした中韓メーカーの大胆な設備投資による

大量生産とそれによる低コスト化、円高、などを背景に日本メーカーは徐々にシェアを下げ、

最近は10%程度に低下しているようです。

 

一方、自動車用には通常のバッテリーには鉛蓄電池が主流。

そこへ世界初のハイブリッドカー(HEV)トヨタプリウスの登場で駆動用バッテリーとして

NiHBが採用されました。

そして他のメーカーも順次HEV、プラグインハイブリッド車(PHEV)、電気自動車(EV)を

導入し始め、他メーカーがLiBを使用し始めました(トヨタも後にLiBを使い始めました)

 

日本の自動車メーカーが主に日本製LiBを買っている事や、自動車に搭載するLiBには

民生用よりも高い電池性能、安全性、耐久性が求められる事より、自動車用に関しては

高性能な日本製は競争力を維持できており、30%程度のシェアを確保できているそうです。

 

現在の自動車メーカー毎の状況は:

・トヨタ: HEV用は、NiMHとLiBが混在。NiMHのみだったプリウスも今はNiMH/LiB混在

      PHEV用は、LiBのみ

      仕入先は、一部パナソニック、

                  一部トヨタ80.5%-パナソニック19.5%の合弁(PEVE)

・日産: セレナHEV用は、鉛酸電池

      EVとe-Power(補助エンジン付きEV)用は、LiB

      仕入先は、遠景(中国)75%-日産25%の合弁(遠景AESC)と、

      INCJ(産業革新機構系)47%-マクセル47%-日立Astemo6%(VE-J)

・ホンダ: HEV・PHEV・EV用、全てLiB

      仕入先は、GSユアサ51%、ホンダ49%の合弁(ブルーエナジー)

・三菱: HEV・PHEV・EV用、全てLiB

     仕入先は、GSユアサ51%、三菱商事46%、三菱自工3%の合弁(LEJ)

 

日本の電池メーカーとしては、パナソニック、GSユアサ、マクセルが自動車メーカーに

食い込んでいる模様です。

 

温暖化防止対策の一環で全世界で自動車のEV化が進展しており、今後は自動車用のLiBの

市場が急速に拡大すると期待されます。

そうなると上述の日本メーカーやその他材料メーカーにとって業績拡大のチャンスですが、

一方で中韓メーカーも生産量を伸ばす事になります。生産が増えるにつれ経験値を積み上げて

技術力を上げてくると見られ、のんびりしていると民生用同様にシェアを喰われていく事が

懸念されます。

 

 

(3)LiBの構造

 

プラス側に「正極」、マイナス側に「負極」、その間に両極が接触してショートする事を

防ぐための「セパレーター」、の三層構造です。

 

正極と負極には各々基材となる集電体(アルミ箔、銅箔)があり、それぞれの集電体に

リチウムイオンの吸蔵・放出を行う活物質、それと活物質がバラバラにならないように

くっ付ける物質(バインダー)、その他の添加剤などを混ぜた物質(スラリー)が

塗り付けられています。

 

その三層を「電解液」という液体が浸しています。 

この液体の中をリチウムイオンが正極・負極間を行ったり来たりして放電・充電を行う、

という仕組みです。

 

 

   画像1

 

 

(4) LiBの製法

 

LiBには形状により円筒形、角形、ラミネート型の3種類がありますが、

ここではラミネート型の作り方を簡単に説明します。

 

①混錬機で、活物質・バインダー・その他の添加剤を混ぜ、スラリーを作る。

②塗工機で、スラリーを電極の集電体に塗り付ける。

③ロールプレス機で、スラリーっを塗り付けられた電極の厚みを調整する。

④スリッターで、電極が電池ケースに入るように切断する。

⑤捲回機で、正極・セパレータ・負極を巻き取る。

⑥巻き取られた束を電池容器に収め、電解液を注入する。

⑦種々検査して完成

 

EV普及によりLiBの需要が伸びれば、これら工程を支える製造機械の需要増も期待されます。

 

 

(5) 全固体電池とは

 

LiBから電解液を抜き、固体だけにしてしまったものが全固体電池です。

リチウムイオンが電子を動かす点はLiBと同じなので、全固体電池も「リチウムイオン電池」に

含まれるとも言え、厳密には従来のLiBは「液体リチウムイオン電池」、全固体電池は

「全固体リチウムイオン電池」」と言われる事もありますが、ここでは前者を単に「LiB」

後者を「全固体電池」と呼びます。

 

固体になると正極・負極が接触する心配もないので、セパレーターも不要になります。

液体がなくなる事により、LiBよりも以下の点で優れていると期待されています:

 

①構造や形状の自由度が高い。薄型など柔軟な電池が実現

②小さな層を重ねる事で小型・大容量化が可能

③固体なので丈夫。液漏れの心配なく発火リスクも低く、容器を薄く・軽くできる。

④寿命が長くて熱や環境変化に強い。

⑤高速充放電が可能 

 

まさに次世代の二次電池として期待大ですが、現時点では製造コストや量産技術の面で

普及には至っていない模様です。

 

一方、先に述べた様にLiBを巡る競合環境は厳しくなると予想され、自動車用のシェアを守り

拡大するには技術革新による競争力の向上が不可欠です。その鍵が、全固体電池であると

期待されています。

 

そこで、日本としても官民あげて技術革新を進める為に、国立研究開発法人NEDOを旗振り役

として先進・革新蓄電池材料評価技術開発プロジェクトが立ち上がり、次世代二次電池の開発を

始め、既に第二期に突入しています。

このプロジェクトには大学や自動車・二輪車メーカー、電池・材料メーカーなど多数が参画し、

各企業は自社でも研究開発を行いつつもNEDOとも強調している模様です。

 

全固体電池関連銘柄を選ぶにあたり、NEDOのプロジェクトに参加しているかどうか?は

一つの指標になるかもしれません。

 


(6) 全固体電池関連銘柄リスト
 

では具体的にどんな銘柄があるか見てみましょう。

全固体電池関連銘柄として考えられるのは以下の4種類だと思われます。

 

リストには売上・営業利益・株価と時価総額(2/26終値ベース)の他に、既存LiB関連製品や

全固体電池開発への取り組みについて各社のHPやニュースなどで判った事を記載

しています。見落としや古い情報もあるかもしれませんが、その点はご容赦下さい。

 

上述のNEDOのプロジェクトへの参画企業には「NEDO」と書いた欄に〇を付けています。

また、インターネットサイト「株探」の「人気テーマ」の「全固体電池関連」に記載されて

いる49銘柄(2/26時点)にも「株探」と書いた欄に〇を付けました。

株探がなぜこれら49銘柄を選び、他の関連銘柄を選ばなかったのかは判りませんが、

これも何かの指標になるかと思い記載しておきました。

 

 

①自動車・二輪車メーカー

 これら企業は、全固体電池の最大のユーザーになると考えられます。

 この内の以下4社がNEDOのプロジェクトに参加しています。

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②LiB、LiB材料のメーカー

 LiBで使用されている正極材・負極材や添加物は全固体電池でも使用される可能性が高いと

 考えられます。従い、これらのメーカーはこの表での全固体電池の取り組みについて「不明」

 (HPなどに特に記載してない)とあっても実際は全固体電池に関する開発を行っている

 可能性が高いと考えられます。

 反対に、全固体電池には無いセパレーターや電解液のメーカーは厳しい状況にあるかも

 しれません。

 

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③LiB製造機械メーカー

 上述(4) 記載のLiB製造工程は全固体電池製造でも大きく変わる事はないと思われます。

 従い、(4)記載の機械のメーカーは全固体電池関連銘柄と言えそうです。

 私が調べた限りでは上場企業でこれら機械を製造している企業は以下の通りです。

 (他に東レが機械を製造しているようですが、②に含まれている為、ここでは省きます)

 

 

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④新規参入組

 LiBの製造には特に関与していなかったようだが、全固体電池の開発には積極的に取り組んで

 いると見られる企業です。こういうところから本命が飛び出す可能性もあるでしょう。

 

 

画像8

 

 

地球温暖化対策としての自働車のEV化の波は、二次電池の需要を飛躍的に拡大するはずです。

その二次電池の中でも現在の本命はLiB、更にその進化形の全固体電池には大きな期待が

寄せられています。

 

しかし実際には、まだ商品化できている企業は少なく、商品化できているものも

価格競争力などの問題により自動車に採用されているものはまだありません。

上記の様に多くの企業が様々な材質を使って様々な手法で開発を進めていますが、

どこが本命になるかはまだまだ判りません。

 

これらの状況を踏まえて「全固体電池関連」に投資するか、その場合、どの銘柄を選ぶか、

それは各々の投資家の判断次第です。
 

もし投資をお考えの際には、スクリーニングの際に上記情報も参考にして頂ければと思います。

 

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