もし、貴方が犯罪に巻き込まれ凶悪事件の被害者になったとき、「運が悪かった・・・もう自分自身の力ではどうにもならない・・・」と諦めてしまうか、「なんとかこの窮地を脱出し、必ず生還しよう」と思うか・・・それは自分自身が決めることです。どちらの道を選ぶにせよ「心の準備」はしなければなりません。


犯人が犯行を成功させるためのポイントとなる要素は、「時間」「人目につかない場所」「相手を支配する」の三つです。次に挙げる行動はこれらの要素に抵抗するためのものです。


ドンッ 直ちに行動する

暴力から逃れ、ケガをする可能性を最小限にするためには最初の数秒間の行動が大事です。


ドンッ最大限の抵抗をする

抵抗以外の選択肢は相手の言いなりになるしかありません。どちらにしてもリスクはありますが、抵抗することにより逃げるチャンスが与えれます。


ドンッ犯行の第二現場はさらに危険を増す

もし、貴方が犯人に何処かの場所へ連れ去られたら、その現場は必ず人目につかないところになり、状況は悪化します。


ドンッ絶対に諦めない(強い心を持つ)

たとえ、重傷を負わされたとしても、精神力は貴方を生かし続けます。精神力が尽きたときに命は尽きます。


私もボディガードの仕事をするなかで、正直「終わりだ・・・」と思ったことが何度かります。ボディガードの仕事といえば「弾除け」や「楯」となって依頼者の命を救うと思われがちです。強ち間違ってはいませんが、その行動は依頼者を護るためにありとあらゆる方法をとったのにも関わらず、最悪の危機が訪れたときに最終手段としてとる行動が「弾除け」や「楯」といった行動です。


しかし、多くのボディガードは最終手段にばかりに焦点をあて任務にあたっているため、最悪の状況への対応しか想定しておりません。たとえ最悪の状況に至り生還したとしても、その状況に陥ったこと事態が失敗であり、その後ボディーガードの仕事は続けることは無いでしょう。たった一度の失敗でもボディーガードに取っては生きていても「死」を意味します。


依頼者を生きて家族の下に返すには、ボディーガードが最後まで生き続けることが必要です。私は、常に「死なないために何をするか」ではなく「生きるために何をするか」・・・そして何が起きても絶対に諦めないという強い心を持ち続けました。そのことが多くの逆境の中においても「心が折れる」ことなく切り抜けることができる原動力となったと思っております。

叫び 自分で犯人を捕まえようする

これは特に男性に良く見られる行動です。襲われたときに逃げずに戦い相手を捕まえようする人や、逃げている犯人を捕まえようとする人がいます。しかし、残念なことにその行為が裏目にでて命を落とす人も後を絶たたないのが現状です。


果たして貴方が犯人を捕まえようとしても成功する確率は高くないということを理解するべきです。もし、捕まえることができれば感謝状の一枚ぐらいはでて壁に飾ることはできるでしょう。しかし、捕まえることができず、その上命でも落とせば慰霊写真が家の壁に掛けられることでしょう・・・どちらを望みますか・・・


例え、犯人が持っている凶器がカッターや小型のナイフであっても、たかをくくって取り上げてやろうと考えては駄目です。奪い合った時点で互いのリスクは五分五分であり、ケガをするか死ぬかのどちらかです・・・武器を取り上げる方法に決して安全な方法は無いことを理解して下さい。


もし、貴方が警官なら職務として犯人を逮捕する義務がありますが、そうでない限り変な正義感を持ち捕まえる必要はありません。もし、どうしても正義感が騒ぐのであれば完全武装をしたうえで捕まえるべきです。貴方がやるべきことは、犯人を捕まえることではなく危険から遠ざかることであり逃げることです。


叫び 犯人の言うことを信じる

これこそ最悪の選択であり最悪の勘違いです。貴方を恐怖に陥れた犯人の言うことは絶対に信じてはいけません。何度でも言います「おとなしくしていれば助かる」と言う犯人の言葉を信じることは単なる希望的観測であり盲目的な楽観主義です。


叫び 行動するための一番良いチャンスを待つ

犯罪が起きたときににはすでに安全なときは過ぎ去っています。従って貴方が考えるべきことは、「チャンスはいつ来るか」ではなく、「ここで今すぐ行動しなければ、その後に確実に起きることは何か」を考えるべきです。確実なチャンスなどいつまで経っても訪れはしないと言うことを・・・


勇気とは恐怖を乗り越える力のことです・・・グー

実際に起きた事件を題材にして、そのとき当事者として犯罪に巻き込まれたら場合に死なないためにはどうすれば良かったかを考える必要があります。最近のニュースを見ていて特に気になるのは、国内で発生する犯罪事件もどれも数年前までは考えられなかったような凶悪犯罪事件が頻繁に発生しています。


2001年に起きた「付属池田小 無差別殺傷事件」、2008年「秋葉原 無差別殺傷事件」、2007年「ペッパーランチ心斎橋店 女性客拉致監禁強姦強盗事件」、2007年「スポーツクラブ 銃乱射事件」、2006年「女子大生誘拐事件」などさなざまな凶悪犯罪事件が発生しています。


また、2008年に起きた「江東区マンション 女性バラバラ人事件」や2010年「福岡 女性バラバラ殺人事件]など猟奇的な犯罪も発生しております。しかし、このような事件を見ていつも思うことが、これらの犯罪事件において被害者が命を落とさずに済んだ方法は本当になかったのだろうか?逃げる時間はなかったのだろうか・・・もしかして、素早く逃げていれば助かったかもしれないケースも多くあるのではないかと思います。


しかし、なかには抵抗すれば事態を悪化させるという人もいます。当然ながら抵抗にはリスクは必ずつきものであり、相手が最初から殺傷する意思を持っている場合には助かる可能性はかなり低くなります。もし、最善の努力をしたのにも関わらず命を落とす場合もありますが、何をどれだけできるのだろうかと考えればそれも状況次第では無事に生き残れる可能性もあります。


学校や企業で年に一回は必ず「防災訓練」を行いますが、犯罪に対しての対応訓練は行いません。私は地震や火災に巻き込まれるより犯罪に巻き込まれる確立の方が高いと思っておりますが、なぜやらないのでしょうか?自分だけが犯罪に巻き込まれることは無いと思っているのか、そのようなことを考えたくないのかのどちらかでしょう・・・


しかし、犯罪に対する心構えを持つことにより、確実の生存の確率は高まります。もちろん、100%になる訳ではありませんが、多くの選択肢の中から状況に応じた行動ができるはずです。例えば、「誘拐」事件の場合、拉致され車に乗せられるまでには多少なりとも時間があります。たとえ、車に乗せられ走行したとしても目的地に着くまでには十分な時間があります。その時間に抵抗することは考えなかったのであろうか・・・


「銃乱射」事件の場合、弾を使い切れば弾を新たに装填する時間があります。そのときに逃げることは考えなかったのだろうか・・・「監禁」事件の場合、監禁されるまでの間に逃げる方法はなかったのだろうか・・・このように多くの選択肢を考えることにより、自分ができることできないことが明確になり、万が一実際に遭遇した場合に状況に応じた行動ができるようになります。


従って、実際に起きた事件を題材することで、被害者はどのような間違いをしたのかが理解できるようになります。このように、似たような凶悪犯罪事件は何度も起きていますが、その結果、一般の人達は同じような間違いを何度も繰り返していることがあります。これを知ることにより生き延びる可能性を高めることができます。


叫び次回はその間違いについて・・・