昨日は、もうひとつの鈴木正三顕彰会が主催する正三忌法要
が行われた。献茶の儀がいつもの年になく丁寧に行われ、しっとりと
雨を帯びた境内の静けさの中で亭主の所作の美しさに見蕩れながら
正三の遺徳にしばし思いをはせた。
主催の会長より千葉県八街(やちまた)市から来られたN氏
を紹介された。台風接近の最中、遠路はるばる正三の故郷まで
お越しいただいたことに感謝の意を伝えた。
千葉県八街市は、鈴木家が家康関東移封に伴い移り住んだ知行地
のあった場所だ。簡単な挨拶と名刺交換したあと現地に残る
正三関連の史跡のはなしができた。加えて、近いうちに
関東へ取材旅行に行く予定ありとも伝えた。
昨年、正三の命日6月25日を日本記念日協会に「正三忌」
として登録したことが報告された。事業に協賛した個人
団体には返礼の記念品が贈られているが、特注の記念切手が
いただけたらともっとうれしかったのにとちょっと心残り。
記念講演は、恒例のT氏。『鈴木正三全集(上・下』の共著者
である。昨年は鈴木正三・重成をNHK大河ドラマに
というテーマで大いに聴衆を沸かせた。今回は正三の人間味を
うかがわせる事例を紹介する中、歴史資料を読み解く手法の一端を
披露され、もしかしたら通説が覆るかもしれない可能性にも言及。
刺激的だった。現代人の常識や社会通念をそのまま持ち込んで
歴史を云々するのは愚かであるが、史料の行間に潜む違和感は
大切に読み込むべきだと痛感した。いままで何となく感じていた
史料中のモヤモヤの仔細を手繰り寄せてみたいと思った。
学芸会で正三劇を上演する小学校の校長と担任も同席した。今年は
『豊臣兄弟』ならぬ『鈴木兄弟』で大河の向こうを張ってはどうか
という結論に至って境内を後にした。



