我が家の高1長女は、中学受験と高校受験の両方を経験しています。

中学受験では、当初は桜蔭を目指していました。しかし、成績が安定せず、途中で公立中への進学も視野に入れることになりました。最終的には無理せずに合格できそうな国立大附属中に照準を絞り、無事に合格し進学しました。

高校受験では、当初は公立高を目指していました。しかし、文化祭に行って気に入った私立大附属高を受験し、無事に合格して進学しました。

中学受験の是非

中学受験には肯定論と否定論があります。肯定派の主な論拠としては、学力向上、早期の自己啓発、豊かな教育環境、幅広い選択肢、高校受験の回避などが挙げられます。一方、否定派の主な論拠としては、子どもへの負担、経済的な負担、詰め込み教育の弊害、自信の喪失、教育虐待の可能性などがあります。

中学受験肯定派の論拠

  1. 学力向上:中学受験を経験させることで高い学力をつけさせることができます。
  2. 早期の自己啓発:受験勉強を通して、目標達成のために努力すること、計画的に学習することなどを学ぶことができます。また、プレッシャーに打ち克つ力や最後までやり遂げる力などを身につけることができます。
  3. 豊かな教育環境:一般的に中高一貫校では、充実した教育環境に学力や意欲の高い生徒たちが集まっています。こうした環境の中で学ばせることは、知的好奇心を刺激し、学習意欲を高める効果があります。
  4. 幅広い選択肢:公立中への進学の場合、居住地域などから進学先の選択肢は限定されますが、中学受験の場合、幅広い選択肢の中から子どもの個性や価値観に合った校風を選択することができます。
  5. 高校受験の回避:中高一貫校の場合、高校受験の準備や内申点を気にすることなく、のびのびとした中学生活を送ることができます。

中学受験否定派の論拠

  1. 子どもへの負担:受験勉強は、子どもにとって大きな負担となります。長時間勉強することで、睡眠不足、運動不足、ストレスなどの心身への悪影響が懸念されます。
  2. 経済的な負担:塾や家庭教師などの費用がかさみ、経済的な負担が大きくなります。
  3. 詰め込み教育の弊害:受験勉強は、詰め込み教育になりがちです。本来の学びの楽しさを失い、創造性や主体性を育む妨げになる可能性があります。
  4. 自信の喪失:受験に失敗した場合、子どもの自信を喪失させてしまう可能性があります。
  5. 教育虐待:子どもの意思や適性を無視して、親が過度に期待をかけたり、結果を強く求めたりすることで、子どもを精神的に追い込み、心身ともに傷ついてしまう可能性があります。

中学受験を選択する場合、親としては、肯定派が挙げるメリットを子どもが最大限享受できるようにして、否定派が挙げるデメリットを最小限にする責任があります。特に、受験結果にかかわらず子どもが進学先で楽しく学校生活を送るためには、進学先について幅広い選択肢を模索し、検討しておくことが重要です。


親としての学び

しかし、「言うは易く行うは難し」で、親自身のこだわり、思い込み、囚われなどから免れることは難しく、子どもに幅広い選択肢や可能性を提示することは困難になりがちです。

実際、我が家も長女の中学受験においては、本人よりも親が最難関にこだわってしまい、思うように勉強してくれない娘に苛立ちを覚えたこともありました。高校受験においても、親自身のこだわりは薄れたものの、英語の成績が志望校の合格ラインに到底及ばないにもかかわらず、真剣に勉強しようとしない娘にもどかしさを感じることもありました。

娘たちと向き合っていく中で、子どもに苛立ちを覚えた場合、その原因は親自身のこだわりや思い込みにあることが多いことに気づきました。また、子どもにもどかしさを感じた場合、それは親自身の短所や育て方の問題であることが多いことにも気づかされました。

娘たちの子育てを通じて親自身が学び、自己理解を深めることが多々あります。まさに「子は親の鏡」です。長女が高校に楽しく通っている姿を見て、そのことを再認識しています。

中学受験や高校受験を経験する中で、親として多くのことを学びました。子どもが楽しく学校生活を送るためには、親自身がこだわりを手放し、子どもの個性を尊重し、健全な成長を後押しすることが大切であるということを実感しています。

 

・ ・ ・ ・ ・


これから受験を迎えるご家庭の皆様にとって、我が家の経験が少しでも参考になれば幸いです。親としての成長もまた、子育ての一部であることを忘れずに、日々の生活を大切に過ごしていきましょう。