これはもう本当にどうにもこうにも好きでたまらない歌です。
こんな泣ける歌を私は他に知りません。
そしてようぺについても、あんなにカッコイイ曲いっぱい歌ってて見た目も今風のちょっとやんちゃな感じの子かと思ってたけど、この歌を聴いて、なんてかわいらしい男の子なんって思ったのを思い出します。

歌の内容は、朝会社に行ったけど頭痛で早退し、家に帰る途中の電車を乗り越して実家まで行こうと思いつき、お母さんの手料理を食べ晩に仕事から帰ったお父さんとも話し風呂に入ってまた自分のアパートに帰るという1日の出来事を綴っています。
その、風邪をひいた日の1日の描写から、ようぺの心情やお母さんお父さんがどんな感じの方なのか、そしてどんな感じの家庭なのかまでうっすら想像つくような、そんな歌だと思います。

とにかくすべてが目に浮かんできます。

「午後一時半の小田急線
サボり満喫中の学生
若奥様のテリトリー
お邪魔します」

「最寄りの駅でふっと気付く
このままもう少し乗っちゃえば
実の家で療養できる
猫に会える」

「ドアを開けると
何処からともなく
味噌汁ちゃんの匂いがして
『ただいま』言う前
軽く叱られんだ」

「苦い小言や
辛い諦め顔も普段は不味いけれど
腹が減っては戦は出来ないし
いただきます」

「あぁ
この家のシェフは天才
悔しいけれどこの手料理は
世界中に自慢出来るぜ
カレー以外
No no no no…」


もう、私がぐだぐだああだこうだ書くよりも歌詞を1番も2番も全部を引用したほうがいいのはやまやまですが、懲りずに書きます。

ここで分かるのは、ようぺのお母さんは晩ご飯の支度で味噌汁を出汁からちゃんと作って突然帰ってきた息子にも世界中に自慢出来ると言わせるくらいに美味しいご飯を食べさせれる人ってこと。

「ただいま言う前軽く叱られる」っていうのも、叱るというよりは
「あら洋平!どうしたん?会社は?」的な感じでしょうかね。
ようぺは多分、病気以外で仕事休むような人じゃないと思うから「サボったの?」なんて感じのことは言われてないんちゃうかなと思います。

あと2番で分かるのはお父さんがちょっと厳しい感じの人でだからちょっとようぺとしては緊張してて、でもこの日は身体の心配してくれたり何やら政治のことを教えてくれたりして優しかったと…。
やっぱり、お父さんも口には出さずとも息子が社会人になって頑張っていることが心配でもあり嬉しくもあるんだろうなと思います。

そしてようぺ自身も、
「風呂にザブンと浸かって回想
思えば恵まれた生活をこう
与えられてたこの坊ちゃんがロックンロールなんて
叫んでいいんだろうか?」
と歌ってるんですね。

この歌を初めて聴いた時はまだ知らなくて後から知ったことですが、ようぺは小学3年生からお父さんの仕事の都合でシリアに移住したわけです。
言うなれば、恵まれたと言えばきっと裕福な家庭であることは確かですが、一面、日本でぬくぬくと何も考えないで過ごせる平和な子供時代ではなかったわけでそれはそれでとてもしんどかったと思います。

なのに「恵まれた生活を与えられていた」と言えるのはすごいえらいなと思います。
強くなったんでしょうね。精神的にも、同年代と比べてもずっと大人でシビアな考え方になったりしてるんじゃないかなと思います。

あと最後のところ、もうここはほんと涙止まらんかったんですね最初聴いた時とか特に。どうしょうかと思た。ほんとたまりません。


「言葉では難しくなって
歌にしたらつまらなくなって
でもあなたが健康だって
知れれば良い」

「『そろそろ帰るわ』って言ったら
玄関先まで送りに出てくるあなたを見る事が出来ずに
電車に乗ってまた一人部屋のアパートに帰ろう」

ここです。あかんでしょう。描写ヤバいです。

想像ですが、帰る直前まで自分の部屋に居ったんか知らないけど、唐突に帰る息子にあわただしく玄関先に出てくるお母さん。
ようぺはそのお母さんの顔をまともに見れずに帰るわけです。
やっぱり、小言言われようがなんだろうが親ほどいいもんはないと思う。そんなに甘えん坊じゃないにしてもやっぱり社会に出て人に揉まれる厳しさを知ると改めて家庭の有り難さというか家族の有り難さを感じるものですよね。

そんなに遠い距離でもなく、会おうと思えばすぐ会えるお母さんだけど、それでも帰り際、なんだか寂しいような、なんとも言えない気持ちになって 気を付けて帰りなさいよとか言ってくれてるお母さんにわかったわかった的な返事をしながら後ろ手でドアを閉めたんじゃないでしょうか。


次にメロディーについて。
メロディーの組み立てが斬新であり、素敵です。

1番はAメロとBメロだけで成り立っているんですかね。

1番
Aメロ(英語)
Aメロ(英語)
Aメロ(日本語)
Aメロ(日本語)
Bメロ(日本語)
Bメロ(日本語)
Aメロ(日本語)
間奏

2番
Cメロ(英語)
Cメロ(英語)
Aメロ(日本語)
Aメロ(日本語)
Aメロ(日本語)
間奏
Aメロの一部
間奏
Aメロの一部

となっています。
言うなれば、少しメロディーを付け足してはいますがAメロでサビの役目をしているのです。

あまりメロディーに大きな動きもないのに、とても心を揺さぶる素晴らしいメロディーだと思います。 Aメロの繰り返しが続くけど、英語と日本語なのでくどい感じにはならないし、前にも書きましたがこの「風邪をひいた時の歌」は英語の部分も日本語以上に自然に頭に入ってくる不思議な歌です。
歌詞の内容にもよるのかな。わからないけど。


あ、書き忘れるところでしたが、 最後の間奏の後のところ

「積み立て預金を始めるか」 と
「でもとりあえずは風邪治そう」を言うために結構長い間奏が入りますが私はこれが好きです。

昔大好きだったバンド(もう活動してません)に、これと同じように最後に間奏→Aメロ一部 で終わる歌があり、その歌自体は好きなほうでしたが、間奏が短過ぎてとてつもなくバランスが悪い歌がありました。その歌を今でもたまに聴きますが、やっぱりおかしいと今も思っています。
やっぱり音楽って、正しい正しくないとかはないのかもしれないけど、自分にとっての「気持ちいい気持ち悪い」は絶対あるなと思います。そのバンドで唯一その曲のその部分だけは私的に納得いってません。

そんなこともあり、この風邪をひいた時の歌の、最後の部分は、とても十分な長さの間奏を入れて、歌詞の意味も歌全体の余韻も十分に味わえるようにしていて秀逸だと思いました。

積み立て預金を始めるか、という言葉にも、育ちの良さとしっかりした性格が現れていますね。

本当にいい子ですね…じゃないわ、いい歌ですね(^w^)
とても好きです。風邪をひいた時の歌。
本当に素晴らしい歌だと思います。
こんな歌を聴けてとても幸せです。