居酒屋で隣の人とお話することは好き

初の恋活パーティ実録

上京して半年、

4年も付き合った彼氏と別れて1ヶ月の私を

親友が出会いの場に連れ出してくれました。

初めての恋活パーティーは、期待以下。

と思ったら大荒れになりました。

成長できない私の姿を残します。

①ゴングが鳴るまでの長い道のり
人はいらないプライドはどうやって捨てるの?


令和になると、もう婚活パーティーとは言わないのか恋活なのか。


若干23歳で、彼氏なし。


(つい最近まで、4年も付き合って

彼氏がいたんだってぇ。)
ってちんけなプライドを捨てきれない私。
シラフでは参加できないと思い、
待ち合わせ前に一杯ハイボールを飲んで

挑むことにした。
平日の仕事終わりに、恵比寿。


(恵比寿でお酒を飲む日が来るなんてぇ)
田舎心を捨てきれぬままウォームアップ。

完全におのぼりさん。


戦に向かうこちらの布陣は、
「友人A」ミズキと「友人B」ロンロンと私の3人。
少し早めに仕事が終わったというロンロン

一杯誘ってみたけど、


「一人でケンタッキーに駆け込んだ」

とLINEが来た。


(恵比寿に来てまで、ケンタッキーかい。)
確かに、腹が減っては戦はできない。


それぞれ緊張を隠せず、

落ち着くことを考えてたどり着いた結果だと思った。


恋活パーティー時間が近づいてきた。

ミズキから連絡はなし。

ハイボールをジョッキ半分分一気に胃に流し込んで、交差点でロンロンと落ち合った。

「一旦、様子をのぞこう」
会場の前を通り過ぎてみた、、、、。
「いや、、、、」
通り過ぎながら二人で顔を見合わせながら、
いつもより少し目を開けてしまった。

目に入った男の人は、メガネをかけた人しかおらず、
私たちが学生生活で関わってきた人たちとは程遠い。


こんな失礼なことをいうなんて、という話だが、
自分たちが想像していたものとは違くて、

少しあっけにとられた。


声にはしなかったけど、
「いや、、、、」の先は
オブラートに包んで言えば、
(この人たちコミュニケーションできる?)
いや包めてないか。

ほんとに自分は最低だ。

電車からおりて迷子になってたミズキに電話して、


「とぶ?とんじゃう?とんで3人でのんじゃう?」
とほぼ本気で聞いてみた。


「え、けど、今日結構気合いれてきた。」
とロンロンが言った。


(そうだよな、、、、

こんなんゆってたら出会いなくなってまうよな)


経験という、武器も持たずまま、乗り込むことにした。

「受付のお姉さんが一番かわいいわ。」
わざと、声に出して、

少し本人に聞こえそうな声で照れ隠しをした。



ロンロンミズキが二人で先に申し込んでいたサイトに、私が後から乗っかったから、

二人は連れとして扱われた。


「お姉さんはおひとりですか?」
「いや、連れなんですけど。」


必死の抵抗。


「あ、登録は姉さんおひとりでしましたか?」
「たこ、何言ってんの、

申し込みは自分の携帯でやったやろ」

と、ミズキに言われた。


ここでもちんけなプライドが

変な態度を呼び起こした。
ハイボールをのんでも消えてなかった。

女性は2000円、

男性は6000円の参加費だった。

一枚の紙を渡され、

カウンターでプラカップでドリンクをもらった。
大学を卒業したばかりの私にとっては、
男性の参加費が高めな設定なことにどこかホッとしていた。
テーブルに案内されたらまた再びそわそわ。

目の前にはやはり、

メガネの、いかにもコミュニケーションが苦手そうな男性3人が立っていた、

というよりぽつんといた、
という表現のほうが正しいかもしれない。


あまり目を合わせてくれそうにない彼らの視界の片隅には、
確実に私たちが入り込んでいるだろう。


受付でもらった紙を見ると、実に小学生ぶりに書くプロフィールシートだった。
マジックで名前を書こうとしたらインクがかすんでいた、私の心をうつしたようだ。
この夜が長くなることはまだ知らなかった。

(私が来るのはこんなとこじゃない。)
なんて、いつまでもプライドは捨てきれない。


どうしても見た目だけで人を判断しがちな自分はまだまだ子供だな、
人はいらないプライドはどうやって捨てるの?


たこ