かつては、スーツは一種のフォーマルウェアで、高級品を手に入れて長く大切に着用するのが普通でしたが、いまではサラリーマンの日常的な仕事着として、安い値段で購入し、流行の移り変わりなどに合わせて買い替えるという傾向が強くなっています
とくに若者にみられる現象で、メンズスーツの激安店の多くは若者層にターゲットを絞って成功をおさめています。
デパートや一般のメンズショップで売られているスーツの値段に比べ、３分の１程度かそれ以下の店も珍しくありませんが、どうして安く売って利益がでるのか不思議です。
最大の秘密は、海外に工場を作って生産しているという点にあります。
中国
など、原料費と人件費が安い国で生産すれば、生地代は日本の半額以下、人件費は日本の何分の１ですみます。
とくに、北京のような大都市ではなく地方で生産すればいっそうコストがかからないので、製造原価に関税や輸送代を加えても、日本に製品が入国する段階までで、１着6000円程度におさえられます。
さらに、製造から小売まで自社でおこなうSPAという方式をとれば、流通コストを大幅削減することが可能です。
こういった理由で、激安スーツ店は、２～３万円前後くらいの破格の安さでスーツを販売しても、十分な利益が出るのです