1日目
長生郡白子町での暮らし前半。
外房線に揺られる。初めて乗る路線のため、どんなところを通っているのだろう。
東京の外には人は住んでいるのか分からなくなるくらい東京人の私にとって全く馴染みがない。
これからお世話になる街を想像する。そう。「街」と記載するくらい都会だった。というのも、映画でもなんでも事前情報を限りなく遮断する癖のある私は、長生”郡”というどんだけの僻地に飛ばされるのかで頭がいっぱいだった。
外房線に揺られながら、どれだけの僻地に変わっていくか楽しみだったのだが、よくも悪くもその期待は裏切られた(笑)
10時茂原駅集合。
電車の関係で30分前に着いた私は残り3人の参加者を待つ。参加者はLINEである程度認識はしていたが、一番乗り(しかも結構早く到着)のため他の参加者が現れるまで多少不安が募っていた。暫くすると一人やってきた。良かった、騙されてなかった。しかも同じ大学で同じサークル。奇しくも残り二人は同じ故郷という共通点。4人が集まるべくして集まった。そんな物語のような言葉を一人勝手に浮かべながら活動が始まった。
活動初日から衝撃過ぎた。
目のまえに表れたのは海。うみ。ウミ。
その目の前の海の家でランチをいただく。
こんなVIP席?!
「行きつけだからー」
うぇ?
変な声が出た。
その後も、サーフィン、おしゃれすぎるBBQサイト、と続き、都会からきた学生のテンションがマックスになるまではそう時間はかからない。
10日間お世話になるほっちゃんって何者やねん。最終日にかけてその伏線がどんどん回収されることになる。
1日目に甘い蜜を吸いすぎて、2日目からどんだけ酷使されるのか寧ろ楽しみ。
昼飯:冷やし中華(4人仲良く?)
夜飯:夏野菜カレー(唐辛子の可能性に気付く)
2日目夜
ドンドンドンドン!!
夜中、学生4人で食卓を囲んでいると急に部屋中に響き渡る。
どこから?隣の家?、、、いや、うちだ。
え?強盗?
少なくとも都会では決して聞くことのない、窓を強く叩く音。
とりあえず最年長の自分が何とかしなくてはならない。直観的にそう感じ、幼稚な頭をフル回転させる。女子勢ドン引き。あ、物理的な回転じゃなかった。
気が動転して暫くすると声がした。
「おれ!さっき祭り準備を一緒にした俺!開けて」
一瞬オレオレ詐欺かと思ったけど、こんな古典的なオレオレ詐欺いまどきいないと思い、我に返る。昼間色んな人に会いすぎて正直まじで覚えていない。
「あ?あぁー、あの時の!お世話になりました!」
当たり障りのない言葉を並べて場を繋げる。
何はともあれ折角来てくださったので参加者1人の得意料理ピーマンの肉詰めを押し売り。
無理やり食べさせるとどっか行ってしまった。
何だったのか。
ひと段落し、みんなで食後ゆっくりしていると、
ドンドンドン!!
え?また?今度は何?!
「も一回開けて!!」
お願いだから正面から来てくれ。体裁を保ちつつ内心ワクワクしながらドアを開ける。さっきとは若干違う。飲み会帰りという彼の片手にはワイン。テーブルには参加者の一人が用意した柿の種。
彼の雄弁さを発揮させるには十分すぎた。
そんなこんなでなぜか一緒にテーブルを囲む。
食後のテーブルが一瞬で宴会場に。
気が付くとみんな彼の虜になっていた。しらこの人たちはキョーレツだ。
まだまだ夜はこれから。
私も一連の出来事をつまみにワインが進む。
嵐が去った後、、、
2日目からこんな濃密で良いのだろうか。4人で笑いつつ、疲労困憊の体を横にした。
夜飯:ピーマンの肉詰め、ハンバーグ、みそ汁