心不全で入院した頃は、集中治療室ではスマホスマホは使用禁止でした。

突然の入院で、会社に連絡するまもなく集中治療室に運ばれたので、看護師さんにお願いして、会社に休む連絡だけさせて頂きました。


スマホが使えないとやる事も無く、TVを眺める日々。

ですが、普段見ることのない平日昼間のTVは、どこの局も同じ内容を放送しているように感じて、つまらなくて、毎日夕方に再放送されていた「相棒」と、その時ちょうど開催中だった大相撲を観ることだけが楽しみでした。(ここから、すっかり相撲ファンに。)


もちろんベッドの上から動くことは許されず、トイレも寝たまま。

元々私は朝起きて少しすると「出ちゃうびっくり」と思ってトイレに行くタイプなのですが、入院二日目の朝は、「明日なら自分でトイレに行ってもいいかも?」と何とか我慢してました。


トイレもベッドの上で、は人生初だったのでものすごく抵抗感があり、嫌だったのですが3日目の朝、どうしても我慢出来なくなり、看護師さんに便器を持ってきて頂きました。


その時以降は、もう寝たきりなんだから仕方ない、と割り切れるようになりました。


集中治療室に入ったものの、周囲の音もあってなかなか寝付けず、常に睡眠不足のような状態だったのを覚えています。


なかなか調子が良くならず、心臓のカテーテル検査もしたのですが、原因の究明に至らす、結局四週間ほど入院し、会社も2ヶ月ほどお休みしました。





動脈塞栓術の治療を受けて少しした頃、北関東の、ある県庁所在地の町に突然転勤になりました。


当然自宅からの通勤は出来ず、引っ越す事に……縁もゆかりも無い土地だったので、会社の人以外には知人もなく、通勤時間も短かったため時間を持て余していて、本を読んだり、溜まっていたDVDを観たりして過ごしていました。

その間にもお腹はどんどん大きくなり、取引先に訪問すると、妊婦さんと間違えられて、私だけコーヒーじゃないドリンクを出して頂いたりてへぺろしていました。


それでも、長年の夢だったマチュピチュへ旅行したり、好奇心の赴くままに楽しく過ごしてました。


転勤して1年半が経った頃、夜寝ていると咳が続いて苦しく、脚が頻繁に攣るようになりました。脚が攣るとしばらく痛くて寝られず、そうこうしているうちに、横になって寝ることが辛くなり、座椅子に座ったまま寝る方が楽で、座椅子に座って短い睡眠を取ることが増えてきました。

会社は最寄り駅から徒歩5分程度でしたが、息切れと動悸が激しくて、その距離も休み休み歩いていました。


囊胞の主治医の先生にメールアドレスを教えていただいた事があったので、思い切って相談のメールを送ったところ、同じ病院の循環器内科の受診を勧められ受診したところ、検査結果が出た直後の診察で、「重症の心不全なので、このまま集中治療室へ入院する」と言われて、そのまま入院となりました。

当日、電車の乗り換えで歩くことも辛く、むしろ自分のクルマの方が楽だと思って一人でクルマで病院に行ってたので、「一度家に帰って、明日入院の準備してもう一度病院に来たいんですけど…」と言ったところ、「ご自身の状況をお分かりではないと思いますが、今すぐ入院しないと危険な状態です」と言われ、クルマは下着や身の回りのものを持ってきてくれた兄に運転して帰ってもらいました。


今、思えば、腹水と胸水が溜まっていた事が原因なのかな?と思いますが、当時は何が何だか分からなかったことを覚えています。




転院先の大学病院は、元々子宮筋腫の摘出手術(腹腔鏡下)を受けた病院でした。その時も、どうしても腹腔鏡下手術を、と希望してネットで探しまくりました。

子宮筋腫の時も、いつも外来は混んでいましたが、嚢胞で通っていた時もやっぱり大混雑でした。


嚢胞の外来は2ヶ月に一度、先生の診察があり、どんどん大きくなるお腹を診て頂いていましたが、やはり経過観察。利尿剤を頂いていました。


そんなある日のこと、先生から動脈塞栓術に、興味ありますか?とのお話ニコニコ

詳しく聞いたところ、動脈塞栓術の治療をしたからといって急激にお腹が凹む訳では無いけど、大きな嚢胞に対して治療を行えば少し楽になるのでは?とのこと。

何でもいいから、前向きな治療をしたいと思っていた私は、二つ返事でお願いしました。


仕事の関係で入院する時期が遅くなり、同じ時期に動脈塞栓術を受ける5人の中で5人目とのこと。

動脈塞栓術については、以前通っていた大学病院で子宮筋腫の動脈塞栓術を受けたことがあったので、自分が感じるであろう痛みも何となく想像はついていました。

子宮筋腫の動脈塞栓術の時は、腰が痛くて、あと吐き気が止まらず、一晩中トイレとベッドを往復したっけ……


先生からは、私より前に受けられた4人の方は、ものすごく痛がっていたと聞いて、半端なく心配していましたショボーン


入院して、放射線科の先生に動脈塞栓術をして頂きました。私の嚢胞はたくさんあり過ぎてもちろん全ての嚢胞を、というわけには行きませんが、大きな嚢胞に動脈塞栓術を行うことで少しでも症状が軽くなるなら、という思いでした。


ですが、あんなに想像していた吐き気も痛みも全く感じず、入院期間はただただゴロゴロとして過ごしていました。

あんまりにも痛みも無いので、先生が外出許可を下さり、「何か美味しいお昼でも食べてきたら?」と言われたほど。


さっそく銀座へ向かい、今はなき銀座古窯のビーフシチューのランチを食べ、お気に入りのスイーツを買って病院へ戻りました。


そして迎えた退院の日。

銀座で買った人気のお菓子をナースステーションに差し入れて帰りました。


その後のCTでは、動脈塞栓術を行った嚢胞は確実に小さくなっていましたが、他にも無数に嚢胞があったため、お腹の膨満感はあまり楽にはなりませんでした。