富士五湖チャレンジへ参加の皆さんが麓を走られている頃、できるだけ高いところから声援でも送ろうかと、富士山の残雪手前を目指して、御殿場口へと向かった。天気は快晴、ところが朝食をとりながら頂上をみると、笠雲がかかっている。天候に変化がある前兆である。
しばらくすると、怪しい雲がかかり、車で新五合目に到着するころには、強風が吹き荒れ、車のドアを開けていられない状態に。それでも視界はまだ良好なので行けるところまで行こうとスタート。
私の髪が逆立っていることからも風の強さがわかる。目視できる気象庁非難小屋(六合目手前)を目指す。
高度点から言えば、上双子山を過ぎたあたりから、強風で進めない。進めないどころか、突然の突風に身体を持っていかれそうになる。次郎坊(宝永山の真下近辺)あたりで、勇気ある撤退を決意。小屋まで数百mの急な登りで突風に身体を持っていかれたら、滑落しそうである。残雪はるか手前での撤退となった。下る途中でふと後ろを振り向くと、砂嵐が見える。急いでシャッターを切ったが私のカメラの腕ではうまく写らず。
本日はあの小屋までを数往復ピストンをして登攀力と薄い酸素で心肺を鍛えようと考えていたのだが残念。予定を変更し、森林限界より下でトレーニング。奇石と言われる「幕岩」を目指す。木々にはまだ緑はなく、枯れ木の状態ではあるが、森の中ではさほど風は感じられない。森の力というのは凄い。もちろん木々の上部は風を切る音ですさまじいのだが。
溶岩流跡は、すさまじい地球のエネルギーを感じる。ここを登れば幕岩に着くはず。
巾100m, 高さ30mの文字通り幕のような岩、この時期は木々が枯れているため、岩が全部露出し荘厳であった。手前にある岩は噴火で飛んだものか?一応流れの後が表面にあるので溶岩流の一部なのか?
幕岩の上部が森林限界高度なのだが、それにしてもこんなところまで鹿の食害が。。もう少し標高の低い、草のあるところでのんびり暮らせないものだろうか?観光客の増加が鹿を追いやっているとすれば悲しい。私もその一人ではあるのだが。
幕岩上部から再び森林限界を超え、写真右の双子山を目指す(左は宝永山、江戸時代に噴火した火口)。御殿場登山ルートより西なので宝永山がうまく盾になってくれて風が弱くならないか?というのは素人の見当違いであった。相変わらず風は強い。写真はルートを標す道標。数百mおきにあり、1本分を走り、1本分を歩いてリカバリー、これはいいトレーニングとなった。低酸素室でインターバル走をしているようなもの。ド笑む(ドM)な自分を確認する。
この後、双子山(下双子)をハントし、ここもで風で吹き飛ばされそうになり、危険を感じすぐに撤収。再び、幕岩経由で森の中へ入ると、ほっと安心する。これほど森に安堵感を覚えたことはない。自然の厳しさと暖かさを同時に味わえた一日であった。





