ネコの傷に対する検証結果 | 【実録】ネコ裁判  「ネコが訴えられました。」

ネコの傷に対する検証結果

この件については、実はワタシも疑問であった。


記事「続・続・ネコ探し」 にて


斜め45°に約20cmのまっすぐな傷が付いている。


ユミコ     「タロちゃん……。」

タロウ     「ん?」

ユミコ     「あのさ……。『斜め45°』に傷が付くって……どういう状況?」


…………。


ユミコ     「それに20cmくらいあるよ……。

         ネコってワンストロークでこんなに長く……まっすぐに傷つけるかなぁ?」

とやっている。


せっかくなので、この件にもツッコめる書証を作ってみた。


裁判所に提出していないから、先売り状態であるが公開である。



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原告所有車に対する検証結果


平成17年9月12日

被告  山田タロウ


はじめに


原告提出の書証


1. 甲3号証について


イ) 極度に汚れた車の写真なので被告にはどの箇所にネコの付けたとされる傷があるのか判断不可能であった。


ロ) 被告は甲3号証⑦を見てホコリがネコの足跡型に取れていた事から、足跡の部分に付いた1~2mmの傷の事をネコの付けた傷だと主張していると解釈した。


2. 甲5号証について


イ) 被告に提出された書証は白黒コピーで傷の具合の判別が難しく判断不可能であった。


ロ) 傷の程度や長さ、明確な写真が提示されていないので、被告は上記1-ロと同じ解釈をした。


3. 甲9号証及び証拠説明書について


イ) 写真が明確で傷の長さも明記されているのでこれに対しはたして傷がネコによるものなのかどうか反証を行う。


ロ) 尚、「被告は該当ネコを飼育していない」と主張している事から、元々どのような形で原告所有車に傷があろうと被告には賠償責任が無い。


ハ) あまりにも原告の提出書証に立証性が無く、粗雑で推察の域を出ないことから検証するに至った。


ニ) あくまでも参考資料として判断して頂きたい。



検証内容



1. 傷の長さ

2. 傷の形態


体長(頭~尻)約60cmの比較的大き目のネコを検証材料とした。(写真1)


1. 傷の長さ

原告主張の甲9号証④⑦⑪について
傷の長さが18cmや20cmと長い傷をネコが付けたと主張されている事に対する反証

イ) 歩行時、摺足では歩行しない。


ロ) 生態的に歩行時に爪を出す事は無いが、万が一爪を出したとしても付く傷は1~2mm程度のものである。

ハ) 伸びをした場合に前方に前肢を出して爪を立てる場合があるが、その前肢着地点より爪を出したまま引きずる事はしない。

ニ) 座った状態で前肢を最大限前に出した状態より爪を出して引きずった場合、その差は最大8cm程度である。(写真2~3)

ホ) 後肢の最大稼動幅は15cm程度である。


ヘ) よって前肢の歩行時歩幅も15cm程度である。


ト) 後肢にて砂を蹴る動作をした場合でも接地面は3~5cm程である。


よって長さ18cm以上の傷を付けるというのは、生物学的・生態的に不可能である。


2. 傷の形態
原告主張の甲9号証①~⑪について
傷の形態がネコのつける傷の形態と相違している点についての反証


イ) 前肢・後肢の指は人間の物とは違い個別に動く器官では無い。


ロ) その為、引掻き傷が付く場合は前肢・後肢共に4本の平行した傷が同時に付くものである。


ハ) 仮に2本又は3本の線状の傷のみに痕跡が残った場合でも線の間隔に疑問点が残る


ニ) 前肢の第2指から第5指までは約7mm間隔である。


ホ) 最大に指を広げた状態でも12mm間隔である。


ヘ) 後肢も同様の間隔である。


よって「7mm以上12mm以下の間隔で付いた平行した傷」以外はネコのものであるとの立証に乏しい。



以上が原告の主張した「所有車に付いてのネコの傷」に対する検証結果反証である。


尚、この結果は極一般的なネコを検証材料として調査した結果であり「該当ネコが傷を付けた」と言う検証の一歩手前の段階である。


ネコの付けた傷であるかどうかが疑わしい状況である現状で

「該当ネコが付けた傷」であると立証する事は更に疑わしい状況である。



以上で被告:山田タロウの検証結果報告を終了する。







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9月13日10:10一部訂正