書留 | 【実録】ネコ裁判  「ネコが訴えられました。」

書留

受け取ったのはバイトのミドリであった。


ミドリ    「あのー。ワタシのサインでいいんでしょうか?」

配達員   「結構ですよ。ここにフルネームで書いてください」


とやっている。


ミドリ    「タロウさん、今日の郵便ここに置いておきますね」


………仕事が一段落して郵便を見てみると1通の書留があった。

それも死んだ祖父宛の……。


さっきミドリが受け取った書留は死人宛のものであったのである。


まぁ、死んだ人間宛に手紙が届くのなんかは日常茶飯事である。

生きてる人間宛の手紙でも宛名が微妙に違ってたりするのもである。

ダイレクトメールに至っては3通に1通は名前が違っている。


ただこの書留。

書留ということもあってダイレクトメールと比べると、若干重大らしい。

しかも差出人は簡易裁判所と書いてある。


ひょっとして死んだ祖父の隠し財産か?

ひょっとして死んだ祖父の隠し借金か?


などど考えても仕方がない。

とりあえず開ける事にした。


                                     書留2 イラスト: