手術室までおふくろを見届けたあと、オヤジにボクが手術の時


どうしてたか聞いてみると



『何が起こるか分からんからずっと病院におったよ』



そういえばボクの病室の上の階に家族待合っていうか、宿泊?仮眠


できる部屋を借りてたのを思い出した。




確かにその時は10時間の長丁場だったし、時間の使い道が


難しかったんだろうな。




そのまま手術室のそばにある家族待合室に行き、少しオヤジと


話した。




『上手く行くとええなぁ。』



『そうだね。』 『ばぁちゃんの形見のマフラー?毛皮のやつも


持ってきとるから、ばぁちゃんも見守ってくれとるから大丈夫だゎ』



ふと、オヤジの足下に目が行くと腕輪の数珠の切れたゴムが


落ちてた。



オヤジに聞いてみると、これは違うと言う。


が、



『実はなぁ、昨日サウナで数珠外す時に切れちゃって、一生懸命


になって珠拾ったんだゎ。おっ母に言うと又心配になるって思って


言わんかったけどなぁ』




『そうだね、でも数珠が身代わりになってくれたのかもしれんよ。役目


が終わったから切れたのかもしれんし。』




『良い事って思うようにしようよ。』




『そうなるとエエけどなぁ。』




『そうなるって。』




そのあと、何とか起きていようとしたけど眠気に勝てず二人とも仮眠。




午後4時半ごろ、看護助手さんがおふくろを迎えに行くと知らせに来て


くれ、オヤジと一緒に出迎えに。



向かってる途中で主治医と共にベッドに乗ったおふくろが運ばれてきた。



今回はICUに寄ることはなく直接部屋に戻ると聞いていた。




おふくろを見ると酸素マスクと右側頭部にガーゼ、頭部全体にメッシュ


の包帯?(名前がわからない)はしてるものの大丈夫そうだ。




病室に移動しながら主治医が話をしてくれたが、移動のスピードが


ボクには早すぎて付いて行くのが精一杯で会話にならなかった。



病室に着いてから、もう一度結果を聞くと問題なく上手くいったと思う。


との事。



多少、めまいや顔の麻痺が起こるかもしれないけど、一時的なもので


時間の経過と共に回復していくらしい。




ベッドが定位置に着くと看護師がおふくろに病室に着いた事を軽く肩を


たたき伝えると、おふくろはうなづき目を開ける。



ボクらに気付くと”大丈夫”と言わんばかりに右手で手を振った。



主治医と看護師が立ち去ってから、おふくろに手術の結果の事を


簡単に話す。



オヤジは主治医とボクの話し声が聞こえていなかったらしく、ボクが


おふくろに話した内容でようやく結果を理解できたようだった。




やっぱり、数珠はおふくろを護ってくれた。




ボクは翌日パン屋の勉強?修行?仕事で、おふくろは3日後には


通常食に戻る予定だったので仕事が終わってからミニアンパンを3つ


持って見舞いに。少し顔に腫れはあったけど想像以上に元気だった。



おやじは午前中に見舞いに来て、島に一時帰宅。




あとは退院までの約1ヶ月、出来る限り会いに行こうと思う。



今日は頼まれたニット帽をこれから届けに。



5年先のボク ~これから出来る事~-2011011109020000.jpg

おふくろの心の曇りも晴れて、澄んだ空が見えてきそうだ。